Column

財務のコラム

コラム

充填機の導入に使える補助金と、対象になる構成の例(食品・化粧品・液体)

結論

充填機(液体や粉、ペーストを容器に決まった量だけ入れる機械)の導入に使える国の補助金は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が中心です。充填機を1台だけ入れる計画は対象外になりやすいため、容器の供給やキャップ締め、ラベル貼り、検査などと組み合わせた「自社の商品と容器に合わせた一式」で計画すると対象になります。

この記事でわかること

  • 充填機の導入に使える補助金は2つ
  • 充填機の補助金の本命:中小企業省力化投資補助金(一般型)
  • 充填機が補助対象になる構成の例
  • 充填機の補助額の計算例(従業員30名の場合)
  • 充填機の補助金の申請の流れとスケジュール(第9回)
  • 充填機で補助金を使うときに気をつけること

この記事では、中小企業省力化投資補助金(一般型)の第9回公募要領と、中小機構の公式サイトの内容をもとに、食品・化粧品・液体の充填機で補助金を使うときの条件、対象になる構成の例、補助額の計算例、2026年11月4日に始まった第9回公募の申請までの準備を順に説明します。

食品工場の加工から包装までを広く見渡したい場合は、食品機械・食品工場の自動化に使える補助金の記事もあわせてご覧ください。

充填機の導入に使える補助金は2つ

充填機の導入に使える国の主な補助金は、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」と「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の2つです。

今つくっている商品の充填や容器まわりの作業を自動化して、人の作業時間を減らす計画なら、省力化投資補助金が合います。新しい商品を開発し、新しい市場に出るための生産設備として入れる計画なら、新事業進出・ものづくり補助金が候補になります。

比べる点省力化投資補助金(一般型)新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
向いている投資入れる・締める・貼る・確かめる作業を自動化し、人の作業時間を減らす新しい商品をつくり、新しい市場へ出るための充填ラインを入れる
計画の中心減る作業時間と、その時間の使い道新しい製品・サービスと、その売り先
公募の状況第9回:2026年11月4日(水)公募開始(公募中)、12月上旬申請受付開始・12月下旬締切の予定第2回:2026年11月2日(月)公募開始、11月30日(月)15時申請受付開始、12月25日(金)15時締切

新事業進出・ものづくり補助金は、公式サイトで「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」とされています。今の商品を少ない人数でつくるための導入なら、省力化投資補助金を軸に考えると計画の筋が通りやすくなります。

充填機の補助金の本命:中小企業省力化投資補助金(一般型)

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が、現場に合わせた専用の設備を入れて人の作業を減らすための補助金です。

容器を並べる、決まった量を入れる、キャップを締める、ラベルを貼る、量を確かめる。充填のまわりは、人が並んで同じ動きを繰り返す工程が多く、作業の時間を数えやすいのが特徴です。減る時間を数字で示しやすいので、この補助金と相性がよい投資になります。

補助上限と補助率

補助上限は従業員数で決まります。賃上げを大きく行う計画の場合は、カッコ内の「大幅賃上げ特例」の上限を使えます。

従業員数補助上限大幅賃上げ特例の場合
5人以下750万円1,000万円
6〜20人1,500万円2,000万円
21〜50人3,000万円4,000万円
51〜100人5,000万円6,500万円
101人以上8,000万円1億円

補助率は、中小企業が1/2(最低賃金引上げ特例に当たる場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者が2/3です。製造業の場合、常勤の従業員が20人以下なら小規模企業者に当たります。

充填機を補助対象にする条件

申請には、単価50万円(税抜)以上の機械装置などを1つ以上含めることが必要です。対象になる経費は、機械装置・システム構築費(必須)のほか、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費です。

気をつけたいのは、どこでも同じように使える汎用の設備を1台だけ入れる計画は対象外になる点です。充填機は汎用の設備に当たりやすいため、1台の導入だけでは通りにくくなります。一方で、公募要領には次のように書かれています。

「汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能である場合には、オーダーメイド設備であるとみなし、本事業の対象となります。」(第9回公募要領)

充填機は、中身の粘りや粒の有無、容器の形と大きさ、1日の生産量によって、つなぐ機器の組み方が変わる設備です。自社の商品と容器に合わせて周辺の機器を組み合わせた一式として計画すると、オーダーメイド設備として対象になります。

申請に必要な基本の条件

  • 労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画であること
  • 従業員1人当たりの給与支給総額を年平均3.5%以上増やす計画であること
  • 事業場内の最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上高くすること
  • 従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画を公表していること

事業計画の期間は3〜5年です。機械を入れて終わりではなく、その後の生産性と賃上げまで含めて計画を立てます。労働生産性の数え方は労働生産性の計算方法の記事で説明しています。

これまでの採択率(申請に対する採択の割合)は、第1回68.5%、第2回60.9%、第3回66.8%、第4回69.3%、第5回61.5%、第6回63.9%です。申請すれば通る制度ではないため、計画の中身が問われます。

充填機が補助対象になる構成の例

充填機で補助対象になる構成の例

充填まわりで省力化投資補助金を使うときは、「中身を入れる機械」だけでなく、容器を並べる、締める、貼る、確かめる、箱に詰める、といった前後の作業まで一緒に設計します。食品・化粧品・液体の現場でよくある3つの組み方を紹介します。

例1:食品のたれ・ソース:容器供給+充填機+キャップ締め+ラベル貼りをつなぐ

空の容器を並べて送る装置、決まった量を入れる充填機、キャップを締める装置、ラベルを貼る装置をコンベヤでつなぐ構成です。同じ容器で、毎日決まった量をつくる商品に向いています。

容器を並べる人、入れる人、締める人、貼る人と分かれていた作業がまとめて減ります。量のばらつきによる手直しや、こぼれた中身の拭き取りの手間も減らせます。

例2:化粧品・液体:品種の切り替えと洗浄の時間を減らす

充填機に、商品ごとの設定を呼び出せる操作盤と、配管や部品を洗う自動洗浄の装置を組み合わせる構成です。少ない量で多くの品種をつくり、1日に何度も切り替える現場に向いています。

切り替えのたびに人が部品を外して洗い、量を合わせ直していた時間が減ります。品種が多いほど、減る時間を大きく示せます。

例3:粉・顆粒:充填機+重量検査+箱詰めまで一体にする

粉や顆粒を袋や容器に入れる充填機のあとに、重さを量って量の足りないものをはじく装置、金属などの異物を見つける検査機、箱に詰める装置をつなぐ構成です。出荷前の確認を人が1つずつ行っている現場に向いています。

人が重さを量り、見て確かめていた作業と、箱に詰めて運ぶ作業が減ります。確認の記録を機械で残せるようになり、記録をつける時間も減らせます。

箱詰めから先の工程は、自動製函機・ケーサーの補助金の記事でも詳しく紹介しています。

審査では、省力化指数(設備で減る作業時間の割合)、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備かどうか、の4つの観点が評価されます。どの構成でも、今の充填まわりの作業時間を工程ごとに測り、導入したあとに残る作業時間と並べて示すことが計画の土台になります。

自社の設備が対象になるかは、構成の段階で決まります。気になったらお気軽にご相談ください。

無料で相談する|Taigen株式会社

充填機の補助額の計算例(従業員30名の場合)

省力化投資補助金(一般型)の従業員数別の補助上限額

例として、従業員30名の食品製造業の会社が、容器供給・充填機・キャップ締め・ラベル貼り・コンベヤの一式(補助の対象になる経費 3,000万円・税抜)を省力化投資補助金(一般型)で計画した場合を計算します。従業員21〜50人の補助上限は3,000万円です。

ケース(例)補助の対象になる経費(税抜)補助率補助額
中小企業(従業員30名)3,000万円1/21,500万円
同じ会社で最低賃金引上げ特例に当たる場合3,000万円2/32,000万円
同じ会社で、検査と箱詰めまで広げた構成の場合6,600万円1/23,000万円(上限)
小規模企業者(化粧品製造・従業員12名)1,800万円2/31,200万円

1つ目の例では、3,000万円の1/2で補助額は1,500万円になり、残りの1,500万円は自社で負担します。3つ目の例のように、補助率をかけた金額が上限を超える場合は、上限の額までになります。

いずれも計算の例です。実際の補助額は、審査を経て採択され、交付決定で認められた経費をもとに決まります。補助金は導入と支払いを終えたあとに支払われるため、設備代はいったん自社で用意します。

充填機の補助金の申請の流れとスケジュール(第9回)

省力化投資補助金(一般型)の申請の流れ

省力化投資補助金(一般型)の第8回は2026年10月16日に締め切られました。第9回は2026年11月4日(水)に公募が始まり、公募要領も公開されました。公式サイトでは、申請受付の開始は12月上旬、締切は12月下旬の予定と公表されています。

充填機は、中身と容器に合わせて試しに充填してから仕様を決めることが多く、構成を固めるまでに時間がかかります。商品と容器の種類、1日の生産量を早めに整理し、メーカーや販売店と話を始めると、締切に間に合わせやすくなります。

  1. 自動化する商品と工程を決め、今の充填まわりの作業時間を測る
  2. メーカーや販売店と、容器供給やキャップ締め、検査まで含めた構成を固める
  3. 見積書をそろえる(同じ条件での相見積もりが原則)
  4. GビズIDプライムのアカウントを取る(取得に一定の期間がかかります)
  5. 事業計画書をまとめ、電子申請する
  6. 採択の発表のあと、交付申請をして交付決定を受ける
  7. 交付決定のあとに発注し、機械を導入する
  8. 実績報告と現地調査を経て、補助金が支払われる
  9. 事業計画の期間(3〜5年)の間、効果を報告する

第9回の補助事業の期間は、交付決定から14か月以内(採択発表から16か月後まで)です。第8回の「交付決定から17か月以内」より短くなりました。交付申請も、原則として採択発表から2か月後までに行う必要があります。ライン全体の据え付けと調整まで、この期間に終えられるかをメーカーと先に確認しておきます。

充填機で補助金を使うときに気をつけること

  • 発注は交付決定のあと:対象になる経費は、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)し、補助事業の期間内に支払いを終えたものに限られます。
  • 見積は早めに複数社から:相見積もりで最も安い金額を出した会社を選ぶのが原則です。ほかの会社を選ぶ場合は、理由書と価格の妥当性を示す書類が要ります。
  • 機器ごとに見積を分けて書く:システム構築費は、積算の根拠がわかる見積書と仕様書が必要で、「一式」だけの見積は認められません。
  • 工事の費用は分けておく:設置場所の整備工事や基礎工事は対象になりません。床や排水、配管の工事が一緒に出る場合は、見積書で機械の費用と分けておきます。
  • 設備は新品で計画する:中古品の購入費は補助の対象外です。
  • 計画は自社のものとしてつくる:公募要領は、事業計画を申請者自身で作成することを求めています。外部の支援を受けながらも、数字と中身は自社で説明できる形にします。

充填機の補助金でよくある質問

Q. 充填機を1台入れるだけでも補助金は使えますか?

充填機を1台入れるだけの計画では、汎用の設備の単体導入として対象外になりやすくなります。容器の供給やキャップ締め、ラベル貼り、検査などを組み合わせ、自社の商品と容器に合わせた一式の構成にすると対象になります。

Q. 今ある充填機に、キャップ締めやラベル貼りだけを足す場合はどうですか?

足す機械が1台だけだと、単体では同じ理由で通りにくくなります。今ある充填機とどうつなぐか、どの作業が何時間減るかまで含めて計画し、ライン全体の省力化として示せる形にします。

Q. 食品ではなく、化粧品や洗剤などの充填でも使えますか?

使えます。食品に限らず、化粧品や洗剤などの液体の充填でも、人の作業時間がどれだけ減るかを示せれば計画を立てられます。自社が補助の対象になる中小企業者に当たるかは、資本金や従業員数の基準を公募要領で先に確かめます。

Q. カタログ注文型との違いは何ですか?

カタログ注文型は、カタログに載っている製品から選んで導入する類型で、随時申請できます。一般型は、自社の現場に合わせて設備を組み合わせる類型で、公募の回ごとに申請します。違いはカタログ注文型と一般型の違いの記事で説明しています。

充填機の補助金はTaigenに無料で相談できます

充填機の補助金は、機械の性能よりも「どの作業が何時間減り、その時間を何に使うか」の示し方で計画の説得力が変わります。商品と容器の種類、1日の生産量、今の人の配置を伺えれば、対象になる構成と補助額の目安を一緒に整理します。

Taigen株式会社は、採択158件・支援した補助金の総額28億円以上の実績をもとに、対象になる構成の考え方から、事業計画書づくり、採択後の交付申請・実績報告まで伴走します。第9回の締切は12月下旬の予定です。食品機械の補助金のご案内ページから、無料でご相談いただけます。

対象になるか、補助額はいくらになるか。まずは無料でお確かめください。

無料で相談する|Taigen株式会社

他のおすすめ記事