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財務のコラム
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食品機械・食品工場の自動化に使える補助金
食品機械の導入に使える補助金は「省力化投資補助金(一般型)」が中心
食品工場の加工・充填・包装の機械を入れるときに使いやすい国の補助金は、中小企業省力化投資補助金(一般型)です。人が手で行っていた工程を機械に置き換え、作業時間を減らす投資が対象になります。
条件は、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ以上入れることと、現場に合わせて組んだ構成にすることです。新しい商品を開発して新しい市場に出る投資なら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が合う場合もあります。
食品工場の人手不足と補助金の関係
食品工場では、盛り付け、計量、袋詰め、箱詰め、洗浄など、人の手に頼る工程が多く残っています。パートさんが集まらない、シフトが組めない、という悩みはどの工場でもよく伺います。
省力化投資補助金は、こうした人手不足を機械やシステムで補う投資を支える制度です。どの工程の、どの作業が、何時間減るのかを計画書で示せれば、食品機械の導入にも使えます。
ただし、機械をカタログから選んで1台置くだけでは対象になりません。前後の工程とどうつなぐか、自社の商品に合わせてどこを変えるかまで決めておくことが、申請の出発点になります。
食品機械に使える補助金は2つ
中小企業省力化投資補助金(一般型):人の作業を減らす投資に
今の商品をつくる工程で、人の作業を減らす投資に合う補助金です。食品工場では次のような投資が考えやすい内容です。
- 成形機・充填機・包装機をコンベヤでつなぎ、工程ごとに付いていた人をまとめて減らす
- 盛り付け・カット・計量を機械に任せ、手作業の工程を置き換える
- 自動洗浄の装置を組み合わせ、段取り替えと清掃にかかる時間を減らす
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例の場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 中小企業 1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)/小規模企業者・小規模事業者・再生事業者 2/3 |
| 必須の経費 | 機械装置・システム構築費。単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ以上 |
| ほかに対象になる経費 | 運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費 |
| 基本要件 | 労働生産性 年平均+4.0%以上/1人当たり給与支給総額 年平均+3.5%以上/事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上/従業員21名以上は一般事業主行動計画の公表 |
| 事業計画期間 | 3〜5年 |
| 補助事業期間 | 交付決定から17か月以内(採択発表から19か月後まで) |
公募要領では「単に汎用設備を単体で導入する事業については、本事業の対象とはなりません」とされています。一方で、導入環境に合わせて周辺機器や構成する機器・機能が変わる場合や、汎用設備を組み合わせてより高い省力化効果を出す場合は、オーダーメイド設備とみなされて対象になります。
出典:中小企業省力化投資補助金(一般型)事務局、第8回公募要領
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金:新しい製品・市場に挑む投資に
新しい商品を開発する、これまでと違うお客さまに売る、といった投資に合う補助金です。今の商品を増産するだけの投資は対象になりません。
- これまでつくれなかった冷凍食品やレトルト食品を開発し、新しい販路に出すための製造ライン
- 業務用だけだった商品を、個人のお客さま向けの小分け商品として開発するための設備
| 項目 | 革新的新製品・サービス枠 | 新事業進出枠 |
|---|---|---|
| 補助上限額 | 750万円〜2,500万円(従業員数による。特例で最大3,500万円) | 2,500万円〜7,000万円(従業員数による。特例で最大9,000万円) |
| 補助下限額 | 100万円 | 750万円 |
| 補助率 | 中小企業 1/2(特例で2/3)/小規模企業・小規模事業者 2/3 | 中小企業 1/2(特例で2/3) |
| 向いている投資 | 新しい製品・サービスを開発するための設備やシステム | これまでと違うお客さまの市場に進出するための設備やシステム |
公式サイトには「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」と書かれています。
食品機械で補助金の対象になる構成の例
食品機械は汎用の機械も多いため、1台だけ入れる計画は対象外になりがちです。次のように、自社の商品と工場に合わせて組み合わせると、オーダーメイド設備として計画を立てられます。
例1:成形から充填・包装まで一体のラインにする
成形機、充填機、包装機を別々に動かしていると、工程の間で製品を運ぶ人や、機械の様子を見る人が必要になります。
これらをコンベヤや制御盤でつなぎ、一体のラインとして組むと、工程ごとに付いていた人手をまとめて減らせます。減った作業時間を、計画書の中心の数字として示せます。
例2:自動洗浄の装置まで含める
食品工場では、商品の切り替えや終業時の洗浄に、毎日まとまった時間がかかります。機械の分解や洗浄を人が行っている場合、ここも省力化の対象として計画に入れられます。
加工・充填の機械と一緒に自動洗浄の装置を入れると、段取り替えと清掃の時間を減らす構成になります。
例3:盛り付け・カット・計量を機械に任せる
惣菜工場やセントラルキッチンでは、盛り付けやカット、重さをそろえる計量に多くの人が付いています。
ロボットや自動計量の機械を、自社の容器や商品の形に合わせて組むと、手作業の工程を置き換える計画になります。
計画書の中心になる「減る作業時間」の考え方
省力化投資補助金の計画書では、食品機械を入れる前と後で、人の作業時間がどれだけ変わるかを数字で示します。工程ごとに、今かかっている人数と時間を書き出すところから始めます。
| 工程(例) | 今 | 導入後 | 減る時間(1日あたり) |
|---|---|---|---|
| 箱詰め・封かん | 3人×8時間 | 1人×8時間 | 16時間 |
| 計量・盛り付け | 4人×6時間 | 1人×6時間 | 18時間 |
| 洗浄・段取り替え | 2人×2時間 | 1人×1時間 | 3時間 |
表は考え方を示すための例です。実際には、自社の現場で測った人数と時間をもとに計算します。
食品工場では、パートさんのシフト表や作業日報が、今の作業時間を示す材料になります。
減った時間を、より付加価値の高い仕事に回し、労働生産性を年平均4.0%以上、1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上伸ばす計画につなげることが基本要件です。
食品機械の補助額の計算例
省力化投資補助金(一般型)では、補助の対象になる経費(税抜)に補助率をかけた額が、従業員数ごとの補助上限額までもらえます。以下は計算の例です。
| 例 | 従業員数 | 補助の対象になる経費(税抜) | 補助上限額 | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 例A | 45名 | 3,000万円 | 3,000万円 | 1/2 | 1,500万円 |
| 例B | 45名 | 8,000万円 | 3,000万円 | 1/2 | 3,000万円(上限で止まる) |
| 例C | 60名 | 2,000万円 | 5,000万円 | 1/2 | 1,000万円 |
中小企業の補助率1/2で計算した例です。小規模企業者・小規模事業者・再生事業者に当たる場合は、補助率が2/3になります。
例Bのように、対象経費の半分が上限額を超える場合は、上限額までになります。大幅賃上げ特例を使えば、従業員21〜50人の上限は4,000万円に上がります。
表はあくまで計算の例です。実際の補助額は、審査や交付申請で認められた経費で決まり、採択を約束するものではありません。
申請の流れと第9回のスケジュール
- 構成と見積をそろえる:どの工程の、どの作業を減らすのかを決め、周辺機器まで含めた構成で見積書をそろえます。
- 事業計画書をつくり、電子申請する:人の作業時間がどれだけ減るか、賃上げをどう進めるかを数字で書きます。
- 採択の発表:審査を経て、補助金を受け取れる候補として選ばれます。
- 交付申請・交付決定:見積書などを出し、補助の対象になる経費が確定します。
- 発注・導入・支払い:交付決定のあとに発注します。交付決定から17か月以内に導入と支払いを終えます。
- 実績報告・現地調査・入金:導入した設備と証拠書類を確認してもらい、補助金額が確定したあとに入金されます。
| 補助金 | 公募の状況(2026年10月23日時点) |
|---|---|
| 省力化投資補助金(一般型) | 第8回は2026年10月16日に締め切り済み。第9回は2026年11月上旬に公募開始、12月下旬に締め切りの予定と公表されています |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 第1回の申請受付は2026年10月30日(金)18時締め切り |
第9回の締め切りは12月下旬の予定です。見積書をそろえて計画書をつくるには時間がかかるため、年内に申請したい場合は11月のうちに構成を決めておくと安心です。
省力化投資補助金(一般型)の採択率(申請した事業者のうち採択された割合)は、第1回68.5%、第2回60.9%、第3回66.8%、第4回69.3%、第5回61.5%、第6回63.9%です。申請すれば通る補助金ではないため、計画書の中身で差がつきます。
食品機械の申請で気をつけたいこと
発注は交付決定のあと
公募要領では、対象経費は「交付決定を受けた日付以降に契約(発注)等を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものに限ります」とされています。先に発注した機械は補助の対象になりません。
中古の機械と、床・排水などの工事は対象外
中古品の購入費は対象外です。また、設置場所の整備工事や基礎工事も対象になりません。食品工場では床や排水の工事が一緒に出ることが多いため、見積書で機械の費用と工事の費用を分けておきます。
導入後に現地調査がある
補助金の額を確定する前に、事務局が現地調査を行います。設備や証拠書類が確認できない場合、その金額は補助の対象になりません。
よくある質問
今あるラインの一部を入れ替えるだけでも使えますか?
使えます。入れ替えで人の作業時間がどれだけ減るかを示せれば、計画を立てられます。前後の工程とつなぐ構成にすると、より計画を立てやすくなります。
セントラルキッチンや惣菜工場でも使えますか?
使えます。調理・盛り付け・包装など、人手に頼っている工程の自動化が対象になります。
包装機を1台だけ入れる場合も対象になりますか?
汎用の機械を単体で入れる事業は対象外です。計量器やコンベヤ、箱詰めの装置などと組み合わせ、包装工程全体の人の作業を減らす構成にすると対象になります。
新しい商品をつくるための機械なら、どちらの補助金が合いますか?
新しい商品の開発や新しい市場への進出を伴う投資なら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が合う場合があります。人の作業を減らすことが主な目的なら、省力化投資補助金(一般型)が合います。
まずは使えるかどうかの確認から
食品機械の補助金は、どの工程をどう組むかで、対象になるかどうかが決まります。ラインの一部の入れ替えでも、組み方しだいで計画を立てられます。
Taigen株式会社は、採択160件以上・支援した補助金の総額30億円以上の実績をもとに、構成の組み立てから事業計画書づくり、採択後の交付申請・実績報告まで伴走しています。
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