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産業用ロボット・協働ロボットの導入に使える補助金と、対象になる条件

ロボット導入に使える補助金は2つ

産業用ロボットや協働ロボットの導入に使える国の主な補助金は、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」と「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の2つです。中心になるのは省力化投資補助金です。

ロボット本体だけでなく、ハンド・治具・センサー・安全柵・搬送装置など、自社の作業に合わせて組んだ一式で計画すると対象になります。ロボットで新しい製品をつくる場合は、新事業進出・ものづくりも候補です。

この記事では、中小企業省力化投資補助金(一般型)の第8回公募要領(2026年9月18日改訂版)と、両制度の公式サイトの内容をもとに、産業用ロボット・協働ロボットで補助金を使うときの条件、対象になる構成の例、補助額の計算例、次の公募(第9回)に向けた準備の流れを順に説明します。

ロボット導入の補助金の本命:中小企業省力化投資補助金(一般型)

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が、現場に合わせた専用の設備を入れて人の作業を減らすための補助金です。公募要領では、目的を「IoT・ロボット等の人手不足解消に効果があるデジタル技術等を活用した専用設備」の導入の後押しと書いています。

溶接、組立、ピッキング、箱詰め、加工機への材料の出し入れなど、人が同じ動きを繰り返している作業はロボットに任せやすく、減る作業時間を数字で示しやすいのが特徴です。

補助上限と補助率

補助上限は従業員数で決まります。賃上げを大きく行う計画の場合は、カッコ内の「大幅賃上げ特例」の上限が使えます。

従業員数 補助上限 大幅賃上げ特例の場合
5人以下 750万円 1,000万円
6〜20人 1,500万円 2,000万円
21〜50人 3,000万円 4,000万円
51〜100人 5,000万円 6,500万円
101人以上 8,000万円 1億円

補助率は、中小企業が1/2(最低賃金引上げ特例に当たる場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者が2/3です。第5回の公募からは、1,500万円を超える部分の補助率を下げる段階がなくなり、上限まで同じ補助率で計算します。

産業用ロボット・協働ロボットを補助対象にする条件

申請には、単価50万円(税抜)以上の機械装置などを1つ以上含めることが必要です。対象になる経費は、機械装置・システム構築費(必須)のほか、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費です。

気をつけたいのは、どこでも同じように使える汎用の設備を1台だけ入れる計画は対象外になる点です。一方で、公募要領には次のように書かれています。

「汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能である場合には、オーダーメイド設備であるとみなし、本事業の対象となります。」(第8回公募要領)

ロボットは、ハンドや治具、カメラ、周りの設備とのつなぎ方が現場ごとに変わる設備です。自社の製品と作業に合わせて周辺機器を組み合わせた一式として計画すると、オーダーメイド設備として対象になります。ロボットを動かすためのシステムや、ほかの設備との連携も、計画の内容によって機械装置・システム構築費に含められます。

申請に必要な基本の条件

  • 労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画であること
  • 従業員1人当たりの給与支給総額を年平均3.5%以上増やす計画であること
  • 事業場内の最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上高くすること
  • 従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画を公表していること

事業計画の期間は3〜5年です。設備を入れて終わりではなく、その後の生産性と賃上げまで含めて計画を立てます。

これまでの採択率(申請に対する採択の割合)は、第1回68.5%、第2回60.9%、第3回66.8%、第4回69.3%、第5回61.5%、第6回63.9%です。申請すれば通る制度ではないため、計画の中身が問われます。

ロボットで新しい製品をつくるなら:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

ロボットの精密な動きを生かして、これまで手作業ではつくれなかった新しい製品を量産する、といった計画なら、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が候補になります。

ただし、今の製品をロボットでつくるだけの計画は、この補助金の対象になりません。新しい製品や新しい市場への進出が計画の中心にあることが条件です。

枠 補助額 補助率
革新的新製品・サービス枠 補助上限 750万円〜2,500万円(特例で最大3,500万円)/補助下限 100万円 中小企業 1/2(特例で2/3)/小規模企業者・小規模事業者 2/3
新事業進出枠 補助上限 2,500万円〜7,000万円(特例で最大9,000万円)/補助下限 750万円 中小企業 1/2(特例で2/3)

この補助金は、設備を入れること自体ではなく、新しい製品・サービスや新しい市場への挑戦を支える制度です。公式サイトには次の一文があります。

「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公式サイト)

第1回の申請受付は2026年10月30日(金)18時が締切です。次の公募の時期は公式サイトで公表されます。

どちらの補助金を選ぶか

比べる点 省力化投資補助金(一般型) 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
向いている投資 今の作業をロボットに任せ、人の作業時間を減らす ロボットを使って新しい製品をつくる、新しい分野へ出る
ロボットの組み方 ハンド・治具・センサー・安全柵・搬送まで一式で組む 新製品の生産に必要な設備として組む
公募の状況 第9回:2026年11月上旬開始・12月下旬締切の予定 第1回:2026年10月30日(金)18時締切

ロボット導入の多くは、人手不足の工程を置き換える投資です。その場合は省力化投資補助金を軸に考え、新製品の計画があるときだけ新事業進出・ものづくりを比べると、迷わずに進められます。

ロボットが補助対象になる構成の例

ロボットで省力化投資補助金を使うときは、「ロボットが担う作業」と「その前後の作業」を一緒に設計します。よくある3つの組み方を紹介します。

例1:溶接ロボット+治具・ポジショナー・安全柵で溶接工程を任せる

溶接ロボットに、製品を固定する治具、製品の向きを変える装置(ポジショナー)、安全柵、溶接の状態を見るセンサーを組み合わせる構成です。

熟練の職人が付きっきりだった溶接の作業時間が減り、職人は段取りや難しい溶接に時間を回せます。仕上がりのばらつきが減ることで、手直しの時間も減ります。

例2:協働ロボットで箱詰め・パレット積みを人の隣で分担する

人と同じ場所で作業を分担できる協働ロボットに、製品をつかむハンド、位置を見分けるカメラ、コンベヤを組み合わせる構成です。

出荷前の箱詰めや、重い箱をパレットに積む作業をロボットが担います。広い場所を取らずに入れやすく、腰を痛めやすい作業も減らせます。

例3:加工機への材料の出し入れをロボットに任せる

工作機械や成形機の前にロボットを置き、材料の投入と製品の取り出しを任せる構成です。材料を並べておく台や、製品を並べるトレーの入れ替え装置も一緒に計画します。

1人が機械に張り付いていた時間がなくなり、1人で複数の機械を見られるようになります。昼休みや夜間にも機械を止めずに動かせます。

審査では、省力化指数(設備で減る作業時間の割合)、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備かどうかの4つの観点が評価されます。どの構成でも、今の作業時間を工程ごとに数え、設備を入れたあとに残る作業時間と並べて示すことが計画の土台になります。

ロボット導入の補助額の計算例(従業員25名の場合)

例として、従業員25名の金属加工業が、溶接ロボットと治具・ポジショナー・安全柵の一式(補助の対象になる経費 2,400万円・税抜)を省力化投資補助金(一般型)で計画した場合を計算します。従業員21〜50人の補助上限は3,000万円です。

ケース(例) 補助の対象になる経費(税抜) 補助率 補助額
中小企業(従業員25名) 2,400万円 1/2 1,200万円
同じ会社で最低賃金引上げ特例に当たる場合 2,400万円 2/3 1,600万円
小規模企業者(従業員5名) 1,200万円 2/3 750万円(上限750万円)

1つ目の例では、2,400万円の1/2で補助額は1,200万円になり、残りの1,200万円は自社で負担します。3つ目の例のように、補助率をかけた額が上限を超える場合は、上限の額までになります。

いずれも計算の例です。実際の補助額は、審査を通って採択され、交付決定で認められた経費をもとに決まります。補助金は導入と支払いが終わったあとに支払われるため、設備代はいったん自社で用意します。

ロボット導入の補助金の申請の流れとスケジュール(第9回)

省力化投資補助金(一般型)の第8回は2026年10月16日に締め切られました。次の第9回は2026年11月上旬に公募開始、12月下旬に締切の予定と公表されています。ロボットは、作業に合わせた構成づくりと試しの動作確認に時間がかかるため、早めにロボットの設置・調整を手がける会社と相談を始めると間に合わせやすくなります。

  1. 減らしたい作業を決め、ロボットメーカーや設置・調整を手がける会社と構成を固める
  2. 見積書をそろえる(2者以上の相見積もりが原則)
  3. GビズIDプライムのアカウントを取る(取得に一定の期間がかかります)
  4. 事業計画書をまとめ、電子申請する
  5. 採択の発表のあと、交付申請をして交付決定を受ける
  6. 交付決定のあとに発注し、設備を導入する
  7. 実績報告と現地調査を経て、補助金が支払われる
  8. 事業計画の期間(3〜5年)の間、効果を報告する

補助事業の期間は、交付決定から17か月以内(採択発表から19か月後まで)です。納期の長い設備は、この期間に導入と支払いまで終えられるかをメーカーと先に確認しておきます。

準備で気をつけること

  • 発注は交付決定のあと:対象になる経費は、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)し、補助事業の期間内に支払いを終えたものに限られます。
  • 見積は早めに複数社から:相見積もりで最も安い金額を出した会社を選ぶのが原則です。ほかの会社を選ぶ場合は理由書と価格の妥当性を示す書類が要ります。
  • システムの見積は内訳まで:システム構築費は、積算の根拠がわかる見積書と仕様書が必要で、「システム開発一式」のような見積は認められません。
  • 設備は新品で計画する:中古品の購入費は補助の対象外です。
  • 計画は自社のものとしてつくる:公募要領は、事業計画を申請者自身で作成することを求めています。外部の支援を受けながらも、数字と中身は自社で説明できる形にします。

ロボット導入の補助金でよくある質問

協働ロボットを1台入れるだけでも補助金は使えますか?

ロボット本体だけを入れる計画では、汎用の設備の単体導入として対象外になりやすくなります。ハンドや治具、カメラ、コンベヤなど、自社の作業に合わせて組み合わせた一式の構成にすると対象になります。

ロボットを動かすシステムの費用も対象になりますか?

ロボットの制御やほかの設備との連携に使うシステムは、計画の内容によって機械装置・システム構築費に含められます。システム構築費は、積算の根拠がわかる見積書と仕様書が必要です。

ロボットの設置会社はどう選べばよいですか?

省力化投資補助金では、2者以上から相見積もりを取り、最も安い金額を出した会社を選ぶのが原則です。ほかの会社を選ぶ場合は、理由書と価格の妥当性を示す書類が必要になります。

中古のロボットは対象になりますか?

省力化投資補助金では、中古品の購入費は補助の対象外です。新品の設備で計画します。

ロボット導入の補助金はTaigenに無料で相談できます

ロボット導入の補助金は、ロボットの台数よりも「どの作業が何時間減り、その時間を何に使うか」の示し方で計画の説得力が変わります。ロボットに任せたい作業と今の人の配置を伺えれば、対象になる構成と補助額の目安を一緒に整理します。

Taigen株式会社は、採択160件以上・支援した補助金の総額30億円以上の実績をもとに、対象になる構成の考え方から、事業計画書づくり、採択後の交付申請・実績報告まで伴走します。第9回の公募に向けた準備は、11月中に始めるのがおすすめです。産業用ロボット・協働ロボットの補助金のご案内ページから、無料でご相談いただけます。

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