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NC旋盤・複合加工機の導入に使える補助金と、対象になる構成の例
NC旋盤や複合加工機の導入に使える国の補助金は、中小企業省力化投資補助金(一般型)が中心です。NC旋盤を1台だけ入れる計画は対象外になりやすいため、棒材の自動供給やローダー、機内計測などを組み合わせた「自社の加工に合わせた一式」で計画すると対象になります。
この記事でわかること
- NC旋盤・複合加工機の導入に使える補助金は2つ
- NC旋盤の補助金の本命:中小企業省力化投資補助金(一般型)
- NC旋盤・複合加工機が補助対象になる構成の例
- NC旋盤の補助額の計算例(従業員25名の場合)
- NC旋盤の補助金の申請の流れとスケジュール(第9回)
- NC旋盤で補助金を使うときに気をつけること
この記事では、中小企業省力化投資補助金(一般型)の第8回公募要領(2026年9月18日改訂版)と、中小機構の公式サイトの内容をもとに、NC旋盤・複合加工機で補助金を使うときの条件、対象になる構成の例、補助額の計算例、次の公募(第9回)までの準備を順に説明します。
NC旋盤・複合加工機の導入に使える補助金は2つ
NC旋盤や複合加工機の導入に使える国の主な補助金は、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」と「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の2つです。
今の旋削の作業を自動化して、人が機械につきっきりになる時間を減らす計画なら、省力化投資補助金が合います。複合加工機を使ってこれまで作れなかった新しい部品や製品をつくる計画なら、新事業進出・ものづくり補助金が候補になります。
| 比べる点 | 省力化投資補助金(一般型) | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 |
|---|---|---|
| 向いている投資 | 材料の着脱や段取り、計測を自動化し、人の作業時間を減らす | 複合加工機で新しい部品・製品をつくり、新しい市場へ出る |
| 計画の中心 | 減る作業時間と、その時間の使い道 | 新しい製品・サービスと、その売り先 |
| 公募の状況 | 第9回:2026年11月上旬公募開始、12月下旬締切の予定 | 第1回:2026年10月30日(金)18時締切。次の回は公式サイトで発表 |
新事業進出・ものづくり補助金は、公式サイトで「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」とされています。今つくっている部品の加工を楽にするための導入なら、省力化投資補助金を軸に考えると計画の筋が通りやすくなります。
NC旋盤の補助金の本命:中小企業省力化投資補助金(一般型)
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が、現場に合わせた専用の設備を入れて人の作業を減らすための補助金です。
旋削の現場では、材料をチャックに付ける、加工が終わった部品を外す、寸法を測る、といった作業に人の時間が取られています。こうした作業を機械に任せると、減る時間を数字で示しやすく、この補助金と相性がよい投資になります。
補助上限と補助率
補助上限は従業員数で決まります。賃上げを大きく行う計画の場合は、カッコ内の「大幅賃上げ特例」の上限を使えます。
| 従業員数 | 補助上限 | 大幅賃上げ特例の場合 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率は、中小企業が1/2(最低賃金引上げ特例に当たる場合は2/3)、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者が2/3です。第5回の公募からは、1,500万円を超える部分の補助率が下がる段階がなくなり、上限まで同じ補助率で計算します。
NC旋盤・複合加工機を補助対象にする条件
申請には、単価50万円(税抜)以上の機械装置などを1つ以上含めることが必要です。対象になる経費は、機械装置・システム構築費(必須)のほか、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費です。
気をつけたいのは、どこでも同じように使える汎用の設備を1台だけ入れる計画は対象外になる点です。NC旋盤は汎用の設備に当たりやすいため、1台の買い替えだけでは通りにくくなります。一方で、公募要領には次のように書かれています。
「汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能等が変わる場合や、汎用設備を組み合わせて導入することでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能である場合には、オーダーメイド設備であるとみなし、本事業の対象となります。」(第8回公募要領)
NC旋盤や複合加工機は、加工する部品の材料や大きさ、ロットの数によって、棒材の供給機やローダー、計測の機能の組み方が変わる設備です。自社の部品に合わせて周辺の機器を組み合わせた一式として計画すると、オーダーメイド設備として対象になります。
申請に必要な基本の条件
- 労働生産性を年平均4.0%以上伸ばす計画であること
- 従業員1人当たりの給与支給総額を年平均3.5%以上増やす計画であること
- 事業場内の最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上高くすること
- 従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画を公表していること
事業計画の期間は3〜5年です。機械を入れて終わりではなく、その後の生産性と賃上げまで含めて計画を立てます。
これまでの採択率(申請に対する採択の割合)は、第1回68.5%、第2回60.9%、第3回66.8%、第4回69.3%、第5回61.5%、第6回63.9%です。申請すれば通る制度ではないため、計画の中身が問われます。
NC旋盤・複合加工機が補助対象になる構成の例

NC旋盤で省力化投資補助金を使うときは、「機械が削っている時間」だけでなく、材料を付ける、部品を外す、寸法を測る、次の機械へ運ぶ、といった前後の作業まで一緒に設計します。よくある3つの組み方を紹介します。
例1:NC旋盤+棒材の自動供給機+部品の受け取り装置で、夜間も加工を続ける
NC旋盤に、長い棒材を自動で送り込む供給機(バーフィーダー)と、切り落とした部品を受け取って運び出すコンベヤなどを組み合わせる構成です。シャフトやピンなど、棒材から削り出す小さな部品の加工に向いています。
材料を1本ずつ付け替える作業がなくなり、人が帰ったあとの夜間や休日も加工を続けられます。担当者は段取りや検査に時間を回せるため、1人で受け持てる機械の台数が増えます。
例2:NC旋盤+ローダー・ロボット+ワークストッカーで、材料の着脱を任せる
機械の上を走って材料を出し入れするローダー(ガントリーローダー)や多関節ロボットと、加工前と加工後の部品をためておく棚(ワークストッカー)を組み合わせる構成です。フランジやギアの素材のように、1個ずつチャックに付ける部品に向いています。
人が機械の前に立ち、加工が終わるたびに部品を付け外ししていた時間が減ります。2台のNC旋盤の間をロボットが受け渡す組み方にすると、表と裏の加工を続けて任せることもできます。
例3:複合加工機+機内計測で、工程をまとめて段取りと運搬を減らす
旋削とフライス加工、穴あけを1台でこなす複合加工機に、加工中に寸法を測る機内計測の装置を組み合わせる構成です。これまでNC旋盤で削ったあとにマシニングセンタへ運び、付け直して加工していた部品に向いています。
機械と機械の間の運搬や、付け直しの段取り、途中の寸法の確認にかかっていた時間がまとめて減ります。付け直しによる寸法のずれが減るため、手直しや不良の手間も減らせます。
審査では、省力化指数(設備で減る作業時間の割合)、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備かどうか、の4つの観点が評価されます。どの構成でも、今の加工の前後にかかる作業時間を工程ごとに測り、導入したあとに残る作業時間と並べて示すことが計画の土台になります。
自社の設備が対象になるかは、構成の段階で決まります。気になったらお気軽にご相談ください。

NC旋盤の補助額の計算例(従業員25名の場合)

例として、従業員25名の部品加工の会社が、複合加工機とローダー・ワークストッカーの一式(補助の対象になる経費 2,400万円・税抜)を省力化投資補助金(一般型)で計画した場合を計算します。従業員21〜50人の補助上限は3,000万円です。
| ケース(例) | 補助の対象になる経費(税抜) | 補助率 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 中小企業(従業員25名) | 2,400万円 | 1/2 | 1,200万円 |
| 同じ会社で最低賃金引上げ特例に当たる場合 | 2,400万円 | 2/3 | 1,600万円 |
| 中小企業(従業員12名)でNC旋盤+棒材供給機の構成 | 1,600万円 | 1/2 | 800万円 |
| 小規模企業者(従業員5名) | 900万円 | 2/3 | 600万円 |
1つ目の例では、2,400万円の1/2で補助額は1,200万円になり、残りの1,200万円は自社で負担します。補助率をかけた金額が上限を超える場合は、上限の額までになります。
いずれも計算の例です。実際の補助額は、審査を経て採択され、交付決定で認められた経費をもとに決まります。補助金は導入と支払いを終えたあとに支払われるため、設備代はいったん自社で用意します。
NC旋盤の補助金の申請の流れとスケジュール(第9回)

省力化投資補助金(一般型)の第8回は2026年10月16日に締め切られました。公式サイトでは、第9回は2026年11月上旬に公募開始、12月上旬に申請受付開始、12月下旬に締切の予定と公表されています。
NC旋盤や複合加工機は、メーカーの納期が長くなることがあり、ローダーや供給機との組み合わせを決めるにも時間がかかります。早めにメーカーや販売店と構成を詰め始めると、締切に間に合わせやすくなります。
- 自動化する部品と工程を決め、今の着脱・段取り・計測の作業時間を測る
- メーカーや販売店と、供給機・ローダー・計測の機能まで含めた構成を固める
- 見積書をそろえる(2者以上の相見積もりが原則)
- GビズIDプライムのアカウントを取る(取得に一定の期間がかかります)
- 事業計画書をまとめ、電子申請する
- 採択の発表のあと、交付申請をして交付決定を受ける
- 交付決定のあとに発注し、機械を導入する
- 実績報告と現地調査を経て、補助金が支払われる
- 事業計画の期間(3〜5年)の間、効果を報告する
補助事業の期間は、交付決定から17か月以内(採択発表から19か月後まで)です。納期の長い機械は、この期間に導入と支払いまで終えられるかを、メーカーと先に確認しておきます。
NC旋盤で補助金を使うときに気をつけること
- 発注は交付決定のあと:対象になる経費は、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)し、補助事業の期間内に支払いを終えたものに限られます。
- 見積は早めに複数社から:相見積もりで最も安い金額を出した会社を選ぶのが原則です。ほかの会社を選ぶ場合は、理由書と価格の妥当性を示す書類が要ります。
- 供給機やローダーも見積に分けて書く:システム構築費は、積算の根拠がわかる見積書と仕様書が必要で、「一式」だけの見積は認められません。
- 設備は新品で計画する:中古品の購入費は補助の対象外です。
- 計画は自社のものとしてつくる:公募要領は、事業計画を申請者自身で作成することを求めています。外部の支援を受けながらも、数字と中身は自社で説明できる形にします。
NC旋盤・複合加工機の補助金でよくある質問
Q. NC旋盤を1台買い替えるだけでも補助金は使えますか?
NC旋盤を1台入れ替えるだけの計画では、汎用の設備の単体導入として対象外になりやすくなります。棒材の自動供給機やローダー、機内計測などを組み合わせ、自社の部品に合わせた一式の構成にすると対象になります。
Q. 汎用旋盤からNC旋盤に替える場合はどうですか?
手で操作する汎用旋盤からの入れ替えでも、材料の供給や着脱の自動化と組み合わせて人の作業時間を減らす計画にすれば対象にできます。今の作業時間と、入れ替えたあとに残る作業時間を比べて示します。
Q. 複合加工機はどちらの補助金で申請すればよいですか?
今つくっている部品の工程をまとめて手間を減らすなら、省力化投資補助金が合います。複合加工機でなければ削れない新しい部品をつくり、新しい取引先へ売る計画なら、新事業進出・ものづくり補助金が候補になります。
Q. 中古のNC旋盤は対象になりますか?
省力化投資補助金では、中古品の購入費は補助の対象外です。新品の設備で計画します。
NC旋盤の補助金はTaigenに無料で相談できます
NC旋盤や複合加工機の補助金は、機械の性能よりも「どの作業が何時間減り、その時間を何に使うか」の示し方で計画の説得力が変わります。加工している部品と今の人の配置を伺えれば、対象になる構成と補助額の目安を一緒に整理します。
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