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【令和7年度最新版】令和7年度 中小企業省力化投資補助金(一般型)を徹底解説

2025年1月30日、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の公募要領が公開されました。
本補助金は『ものづくり補助金』の省力化枠に似た支援制度でありながら、より柔軟な特徴を持ちます。
新製品・新サービスの開発や新市場進出を要件としないため、存在する事業の改善に活用できるポイントが特徴です。
さらに、従来のカタログから大きな変更があり、企業の個別ニーズに応じたオーダーメイド設備も補助対象となり得ることから、事業者にとって見ての良い制度となっています。
本記事では、補助金の概要から申請のポイントまで、事業者の皆様に役立つ情報を詳しく解説します。
公募情報
- 公募開始
令和7年1月30日 - 申請
受付令和7年3月中旬~ - 申請締切
令和7年3月下旬
中小企業省力化投資補助金とは?

生産・業務プロセス、サービス提供方法の省力化が本補助金のテーマとなっており、他の補助金(事業再構築補助金、新市場進出補助金、ものづくり補助金等)と比べ、新製品・サービスの開発や新市場進出を必須条件としない点が特徴です。
一般型では、カタログから選択する必要なく自由に補助対象経費を選択出来ます。
補助金額一覧
対象者(従業員数) | 補助上限額 |
---|---|
5人以下 | 750万円(1,000万円) |
6~20人 | 1,500万円(2,000万円) |
21~50人 | 3,000万円(4,000万円) |
51~100人 | 5,000万円(6,500万円) |
101人以上 | 8,000万円(1億円) |
(特例措置)
大幅賃上げ特例(補助上限額を250~2,000万円上乗せ (上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額。 最低賃金引上げ特例事業者、各申請枠の上限額に達していない場合は除く。))
- 給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上増加
- 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+50円以上の水準
※上記1、2のいずれか一方でも未達の場合、各申請枠の従業員規模区分別の補助上限額との差額について補助金を返還。
補助率
対象者 | 補助率 |
---|---|
中小企業 | 原則1/2 |
小規模事業者 | 最大2/3 |
事業再生計画実施中の事業者 | 最大2/3 |
※補助金額1,500万円までは1/2 もしくは2/3。 補助金額1,500万円を超える部分は1/3。
(特例措置)
- 最低賃金引上げ特例 (補助率を2/3に引上げ (小規模 再生事業者は除く。))
- 指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いること
補助対象経費
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
機械装置・システム構築費の導入は必須となっているので注意が必要です。
申請スケジュール

本補助金の申請は、以下のスケジュールが予想されています。
- 申請様式の公開(予定)
3月上旬 - 公募開始(予定)
3月中旬 - 申請締切(予定)
3月下旬 - 補助金交付候補者決定
6月頃 - 事業実施期間
交付決定日から18か月以内
申請例
物流企業A社の事例

通信販売事業でオンラインショッピングの顧客数及び購買量に対応するため、自動梱包機及び倉庫管理システムをオーダーメイドで開発・導入
製造業B社の事例

自動車関連部品製造事業で検査が難しい微細な自動車関連部品の製造を効率的に行うため、最新のデジ
タルカメラやAI技術等を活用した自動外観検査装置を事業者の現場に合わせた形で導入
審査において重視されるポイント
- 補助事業の具体的取組内容と会社全体の事業計画の目標数値との整合性
- 今までの自社での取組の経緯・内容をはじめ、今回の補助事業で機械装置等を取得しなければならない必要性を示されているか
- 課題を解決するため、不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等を明確にしながら、具体的な目標及びその具体的な達成手段を記載されているか
- 本事業を行うことによって、どのように他者と差別化し省力化が実現されるか
- 補助事業以外の事業または会社全体の事業計画に対して、どのようなシナジーや成果をもたらすかという観点で事業計画書が作成されているか
- 将来の展望
- 自社にとってどのような付加価値が生み出されるのか明確になっているか
- 図表や写真等を用い、具体的かつ詳細に記載されているか
- 会社全体の事業計画
- 「労働生産性」や「一人当たり給与支給総額」「給与支給総額」等が具体的な根拠をもって算出されているか
まとめ
中小企業力化投資補助金は、申請のテーマが他の補助金にくらべて緩く申請し易い補助金です。
また、自由度が高く、設備投資を検討している中小企業にとって非常に魅力的な選択肢となります。
一方で、事業計画書の品質は一定水準が求められます。申請を迷われている方はぜひ1度ご相談ください!
