コラム

東京都で申請できる補助金・助成金一覧まとめ!活用事例も紹介【2025年最新】

東京都では中小企業や小規模事業者を支援するために、さまざまな補助金・助成金制度が設けられています。

具体的にどのような制度があるのでしょうか?

本記事では補助金・助成金を分かりやすくまとめ、それぞれの提供内容・募集スケジュール・支給される金額・特徴を詳しく解説します。

申請するうえでの大切なポイントにも触れますから、ぜひ参考にしてください。

目次

【2024年度】東京都で使える補助金・助成金の一覧表

東京-補助金助成金-一覧表

東京都で使える主な補助金・助成金を一覧表にまとめました。

補助金・助成金実施機関名上限金額補助率対象費用
創業・スタートアップ支援事業補助金港区250万円
※予算の範囲内による
3分の2店舗等借入費,設備費,広報費,ホームページ作成費
起業支援事業間接補助金府中市100万円2分の1(※※事業所の規模によって異なる)テレワーク機器,ソフトウェア
新築建築物への省エネルギー機器等設置費補助港区100万円3分の2出展経費,求人広告費
事業承継設備補助金江東区200万円
※予算の範囲内による
2分の1(※※事業所の規模によって異なる)設備導入経費,設備更新経費
小規模事業者等経営改善補助金(店舗改修費補助)足立区200万円※予算の範囲内による3分の2購入費,リース料,工事費,維持費,相談費
育児・介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金東京都250万円2分の1(※※事業所の規模によって異なる)テレワーク機器,ソフトウェア
DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金(公財)東京しごと財団150万円
※予算の範囲内による
2分の1(※※事業所の規模によって異なる)人材紹介手数料
《事業所用》かつしかエコ助成金葛飾区190万円
※太陽光発電システムの場合の上限額
定額支給機器導入費用
テレワーク促進助成金東京都250万円2分の1※事業所の規模によって異なるテレワーク機器,ソフトウェア
止水板設置工事助成制度目黒区100万円
※予算の範囲内による
4分の3工事費用

各補助金・助成金の詳細は、次章で詳しく説明します。

【2024年度】東京都で使える補助金・助成金

東京都-補助金助成金

2024年度の東京都の主な補助金・助成金を各々5件ずつ説明します。

補助金

創業・スタートアップ支援事業補助金(港区)

港区では設立間もないスタートアップ企業の成長を促進するために、商工相談員が事業計画書作成をサポートし、初期費用の一部を補助しています。

補助金には賃料やホームページ制作費、広報活動費用、設備投資費用が含まれています。

特徴

項目説明
実施機関名港区
課題・資金使途事業再生を行いたい
上限金額(補助額等)250万円
※予算の範囲内による
助成率3分の2
対象費用店舗等借入費,設備費,広報費,ホームページ作成費

申込条件

項目説明
対象者港区内に本店登記地と主たる事業所がある法人又は港区内に主たる事業所がある個人事業者
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)
地域東京都港区
公募期間2024年06月03日 ~ 2025年01月20日

起業支援事業間接補助金(府中市)

府中市では新たにビジネスをスタートする人々を積極的にサポートしています。

創業時の店舗設置や設備の購入、さらにはマーケティング活動にかかる費用の一部を補助金として提供します。

特徴

項目説明
実施機関名府中市
課題・資金使途ソフトウェアへの投資を行いたい、働き方改革に取り組みたい
上限金額(補助額等)100万円
助成率2分の1(※※事業所の規模によって異なる)
対象費用テレワーク機器,ソフトウェア

申込条件

項目説明
対象者東京都内に本社又は事業所を置く中小企業等
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)、医療法人、非営利法人(医療法人を除く)
地域東京都
公募期間2024年06月03日 ~ 2025年02月28日

新築建築物への省エネルギー機器等設置費補助金(港区)

港区では省エネルギー機器(例えばLED照明や効率的な空調システム)の設置費用をサポートします。

ただし補助の対象は、区の基準を満たす新築建築物を計画する建築主です。

特徴

項目説明
実施機関名港区
課題・資金使途環境問題への対応・省エネ対策をしたい
上限金額(補助額等)500万円
助成率3分の1
対象費用設置工事に係る経費

申込条件

項目説明
対象者港区内に省エネルギー性能を有する特定建築物を新築する建築主
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)、医療法人、非営利法人(医療法人を除く)
地域東京都港区
公募期間2024年04月01日 ~ 2025年02月10日

事業承継設備補助金(江東区)

江東区では中小企業者の事業承継に伴う設備導入・更新にかかる経費の一部を補助します。

特徴

項目説明
実施機関名江東区
課題・資金使途機械への投資を行いたい、事業承継を行いたい
上限金額(補助額等)200万円
※予算の範囲内による
助成率2分の1(※※事業所の規模によって異なる)
対象費用設備導入経費,設備更新経費

申込条件

項目説明
対象者江東区内に本店または事業所を有する中小企業者
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)
地域東京都江東区
公募期間2024年08月01日 ~ 2025年01月31日

小規模事業者等経営改善補助金(店舗改修費補助)(足立区)

対象は足立区で売上・利益の増加を目指して、経営改善に取り組む小規模事業者です。

中小企業の専門相談員が計画の策定をサポートし、計画の実行後にはマッチングクリエイターがフォローアップを行います。

取り組みにかかる費用(例えば設備・備品の購入、店舗改装)に補助金を提供します。

特徴

項目説明
実施機関名足立区
課題・資金使途建物への投資を行いたい、機械への投資を行いたい
上限金額(補助額等)200万円※予算の範囲内による
助成率3分の2
対象費用購入費,リース料,工事費,維持費,相談費

申込条件

項目説明
対象者足立区内の小規模企業者等
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)
地域東京都足立区
公募期間2024年06月03日 ~ 2025年02月14日

育児・介護との両立のためのテレワーク導入促進助成金(東京都)

都内中小企業を対象に、育児・介護と仕事を両立しやすい環境づくりを支援するため、テレワークの導入を積極的に推進しています。

企業が就業規則の見直しやテレワーク環境を整えるために必要な費用を一部助成します。

特徴

項目説明
実施機関名(公財)東京しごと財団
課題・資金使途ソフトウェアへの投資を行いたい、働き方改革に取り組みたい
上限金額(助成額等)250万円
助成率2分の1(※※事業所の規模によって異なる)
対象費用テレワーク機器,ソフトウェア

申込条件

項目説明
対象者東京都内に本社又は事業所を置く中小企業等
継続年数創業1期目、創業2期目、創業3期目、4期目以降
地域東京都
公募期間2024年06月03日 ~ 2025年02月28日

DX・GX時代を担う専門・中核人材戦略センター事業助成金(東京都)


東京都では中小企業が業務の拡大・販売経路の強化・生産性の向上といった経営上の課題を乗り越え、成長を遂げるために必要な支援を行います。

専門的・中核的な人材を採用した際にかかる人材紹介手数料等の一部を助成します。

特徴

項目説明
実施機関名(公財)東京しごと財団
課題・資金使途人を雇いたい
上限金額(助成額等)150万円
※予算の範囲内による
助成率2分の1(※ケースにより異なります)
対象費用人材紹介手数料

申込条件

項目説明
対象者東京都内に本社又は主たる事業所を有する中小企業等
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)
地域東京都
公募期間2024年04月01日 ~ 2025年01月31日

かつしかエコ助成金(葛飾区)

葛飾区では中小企業が再生可能エネルギーを活用する取り組みを積極的に推進しています。

エネルギー消費を抑えるための戦略として、太陽光発電システムや省エネ機器の導入にかかる費用の一部を補助しています。

特徴

項目説明
実施機関名葛飾区
課題・資金使途環境問題への対応・省エネ対策をしたい
上限金額(助成額等)190万円
※太陽光発電システムの場合の上限額
助成率定額支給
対象費用機器導入費用

申込条件

項目説明
対象者葛飾区内に事業所を有する中小企業
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)
地域東京都葛飾区
公募期間2024年04月01日 ~ 2025年03月31日

テレワーク促進助成金(東京都)


東京都では感染症の拡大を防ぎながらも経済活動を続けるため、中堅・中小企業がテレワークを一層推進できるよう支援しています。

テレワーク導入に必要な機器やソフトウェアの購入に伴う費用を助成することで、企業の環境整備をサポートしています。

特徴

項目説明
実施機関名(公財)東京しごと財団
課題・資金使途ソフトウェアへの投資を行いたい、働き方改革に取り組みたい
上限金額(助成額等)250万円
助成率2分の1※事業所の規模によって異なる
対象費用テレワーク機器,ソフトウェア

申込条件

項目説明
対象者東京都内に本社又は事業所を置く中堅・中小企業等
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)、医療法人、非営利法人(医療法人を除く)
地域東京都
公募期間2024年05月08日 ~ 2025年02月28日

止水板設置工事助成制度(目黒区)

目黒区では豪雨や台風による浸水から住宅・店舗・オフィスを守るために、防水設備の設置を支援する助成制度が設けられています。

対象は防水板の設置工事を行う個人や事業者です。

特徴

項目説明
実施機関名目黒区
課題・資金使途防災・セキュリティ対策を強化したい
上限金額(助成額等)100万円
※予算の範囲内による
助成率4分の3
対象費用工事費用

申込条件

項目説明
対象者目黒区に位置する住宅や店舗および事務所等の所有者または使用者
事業形態個人事業主、法人(株式会社・合同会社)、医療法人、非営利法人(医療法人を除く)
地域東京都目黒区
公募期間2024年04月01日 ~ 2025年03月31日

補助金・助成金の違いは審査の有無

補助金助成金-違い

補助金・助成金の違いを表示します。

項目補助金助成金
管轄主に経済産業省主に厚生労働省
対象新事業・新規サービスの導入、新政策の促進やサポート企業の雇用・労働環境の改善、研究開発、人材育成
金額多い(数百万円~)少ない(数十万円~100万円程度)
公募期間短め(1カ月程度)長め(通年募集)
審査有無ありなし

補助金・助成金の違いは4点です。


管轄や給付の目的

補助金は主に中小企業庁を含む経済産業省が管轄しており、中小企業やスタートアップの成長を後押しすることを目的としています。

一方で厚生労働省が管理する助成金は、主に職場環境の向上や従業員のスキルアップを支援する分野で活用されるケースが多いです。

審査の有無

補助金の場合申請を行っただけでは受給が確約されるものではなく、厳密な審査を経た後に選定されるのです。

一方で助成金は特定の条件を満たしていれば、審査はありませんので、ほぼ確実に受け取れます。

給付金額 

補助金は新規事業の開始や既存のビジネスを拡張するために設けられており、支給額が大きいのが特徴です。

時には数百万円規模の支援が受けられることがあり、非常に大規模な投資が可能です。

一方助成金は中小企業・小規模事業者の特定の活動を支援するために設けられており、支給額は一般的に数十万円から多くても100万円程度とされています。

公募期間

補助金の募集期間は比較的短期間で設定されており、通常およそ1か月ほどと限られた期間での対応が求められます。

補助金とは?経済産業省による支援で審査がある

補助金とは

補助金はもらえるお金や補助金の公募から採択まで2つを説明します。


補助金はもらえるお金

補助金は国や地方自治体からもらえるお金です。


個人や企業に提供される返済不要の資金

補助金とは国・地方自治体が掲げる政策目標達成のために活動を行う個人・企業に支給される、返済不要の資金です。

借り入れのように担保や保証人が求められる心配はなく、金利負担もありません。

言い換えると条件に合致すれば「もらえるお金」です。

補助金をもらうには書類作成が必要

補助金を受け取るためには、まず申請手続きを行う必要があります。

申請には詳細な計画を盛り込んだ書類作成が求められ、一部のケースでは面接が必要になることもあります。

さらに手間をかけて申請をしても、常に採択されるとは限りません

補助金は後払い

たとえ採択に成功したとしても、すぐさま資金を手にできるわけではありません。

補助金は基本的に「後払い」という形態をとります。

自己資金や借入金で経費を賄った後に支給される仕組みです。

採択後も報告が必要

事業の遂行中や終了後には、報告書や経費明細といった多くの書類を作成し、提出しなければなりません。

条件や手順が煩雑であるため、補助金を敬遠する声があるのも事実です。
「こんなに手間がかかるなら、むしろいらない」と感じる人々も少なくないのです。

補助金の公募から採択まで

補助金-申請の流れ

補助金の公募から採択までを説明します。 

補助金の公募から採択まで 

短い募集期間

補助金の申請を考える際、まず押さえておきたいのが募集期間の短さです。

ほとんどの補助金は募集期間が数週間から1か月程度と限られた時間で設定されており、中にはさらに短いケースも見受けられます。

「気づいたときには締め切りが過ぎていた」とならないよう、常にアンテナを張っておきましょう。

説明会が開催

多くの補助金では募集開始時期に合わせて説明会が開催されることがあります。

説明会では申請手続きや要件に関する基本情報が提供されますが、内容は公式の公募要領やガイドラインに記載されているものとほぼ同一です。

説明会に参加しなくても申請自体は可能ですし、結果に影響を与えることもありません。

助成金とは?厚生労働省による支援で審査はありません

助成金とは


助成金の種類や助成金の申請から受給などの3つを解説をします。

助成金の種類 

助成金は名称に「○○助成金」と含まれている場合でも、実態によっては補助金に近い仕組みを持つものもあるため、それぞれの内容をしっかりと把握することが重要です。

助成金が支給されるタイミングには4つあります。

助成金が支給されるタイミング

  1. 新たに人を採用した場合  
  2.  継続して雇用を維持した場合  
  3. 失業者が新たな道へ踏み出した場合  
  4.  職場環境が改善された場合  
     

他にも多様な支給対象がありますが、すべてに共通しているのは雇用確保が最終的な目的とされている点です。

最新の情報を得るためには、厚生労働省の公式ウェブサイトを定期的にチェックすることをおすすめします。

引用元:事業主の方のための雇用関係助成金|厚生労働省

助成金の申請から受給まで

助成金を受け取るためには、まず申請手続きを行う必要があります。

最初に実施計画を提出した後に、実際の支給を求める申請を行うのが一般的です。

助成金-申請の流れ


助成金は一定の条件を満たすことで基本的に受け取ることができる資金です。

助成金の申請には補助金支給のプロセスにある「採択」はなく、要件を満たしていれば支給される仕組みとなっています。

助成金をもらうための基本条件

助成金を利用できるのは原則として雇用保険の適用事業所の事業主に限られます。

なぜなら企業が納付している雇用保険料が助成金の原資となっているからです。

ただし一部の助成金では、3つの条件に該当する企業が受給対象から外れる場合があります。

受給対象から外れる場合

  • 雇い入れ前後6か月間に企業側の都合で解雇を行ったり、3人を超える特定受給資格者(または全従業員の6%を超える割合)を発生させた場合
  • 労働保険料を2年以上にわたって滞納している場合
  • 過去3年間の間で助成金を不正に受給した、もしくは試みがあった場合

助成金申請の書類作成は、自身で行えますが、専門家に依頼するのも一つの手段です。

補助金を賢く活用するためのポイント

賢く活用するポイント

補助金を効果的に活用するためのポイントを4つ説明します。

順番に詳しく解説します。

自社の課題に合わせて補助金を選ぶ 

最初に取り組むべきは「自社が抱える課題や目指している目標を具体化すること」です。

補助金にはさまざまな種類があるため、地方自治体・国が実施しているものを含め、幅広い視点で調べることが大事です。

補助金を選定する際には、3つの点にも注意しましょう。

補助金を選定する際の注意点

  • 自社の事業内容や計画が、補助金の条件に適合しているか
  • 課題解決や目標達成と補助金内容が一致しているか
  • 提出書類の準備や書類作成に時間と人手を割けるか。また、作業がどの程度複雑なのか

内容を吟味した上で最適な補助金を見極めることが重要です。

東京都が提供する補助金検索ツールも積極的に利用すると良いでしょう。

引用元:TOKYO補助金サーチ 見える化ボード|財務局

申請要件を丁寧にチェックし漏れのないよう準備する 

補助金の申請を決めたら募集要項をじっくりと確認することが大切です。

内容によって別の補助金を検討することも視野に入れましょう。

また補助金申請を専門家に依頼する際は、申請期限の少なくとも1か月以上前に相談や準備をスタートさせるのが望ましいです。

自社で対応する場合は予想以上に手間がかかることを見越して、作業スケジュールを計画してください。

活用計画を立てさらなる成長につなげる 

補助金を獲得後有効に活用できなければ、これまでの労力が無駄になってしまいます。

補助金を最大限に活用するためには、申請の前段階で具体的な活用計画を練り上げることが重要です。

入念に作成された活用計画書は審査に通りやすいだけでなく、事業進行もスムーズな運びとなります。

専門家に相談して申請サポートを受けるのも有効


専門家のサポートを受けるのも有効です。

補助金の申請は多くの手間と専門的な知識が求められる作業です。

自社だけで全てに対応しようとするのは、負担が大きいかもしれません。

特におすすめしたいのが「中小企業診断士」です。

中には申請の際の採択率が90%を超える診断士もいます。

補助金・助成金の申請・受給にあたっての注意点

注意点


申請や受給にあたっての注意点は、期限を確認や課税対象かどうかを確認などの3つです。

それぞれ見ていきましょう。

期限を確認

補助金・助成金にはそれぞれ申請の締め切りが設けられています。

毎年度実施されるような継続的な助成金は、申請を逃しても次回の募集を待てます。

しかし自然災害のような急を要する状況で支給される助成金の中には、期限を過ぎると二度と受け取るチャンスがなくなる場合があります。

課税対象かどうかを確認

受領したお金は収入と見なされるため、多くの場合課税の対象となります。

ただし特別定額給付金・子育て世帯向けの臨時特別給付金・ベビーシッター利用を支援する事業に対する支給額は非課税に該当します。

課税対象か否かの事前確認を行いましょう。

不正受給に注意 

不正受給は最も注意すべき問題です。

受給資格がないにもかかわらず、虚偽の情報を使って申請する行為は、不正受給として厳しい処分が下ります。

実際に資金を受領した場合だけでなく、申請の段階で虚偽が発覚した場合でも同様です。

申請内容は正確に記載することが必須です。

不正受給に注意 

不正受給をした際の主な処罰と社会的ペナルティをリストで説明します。

主な処罰

  • 受給金の全額返還
  • 延滞金・追加金の請求
  • 助成受給の制限


社会的ペナルティとして公表される事柄です。

社会的ペナルティ

  • 不正受給を行った事業所の名称や所在地、事業内容
  • 代表者の氏名
  • 不正受給が行われた助成金の内容、額、決定取消日
  • 不正行為の具体的な内容
  • 社会保険労務士や他の関係者が関与していた場合、名称や所在地


広く公表されるため事業主や企業のイメージダウンは避けられません。

経営上の資金繰りに苦しむあまり不正に手を染めると、返金や延滞金負担が増すだけでなく、社会的な信頼も消失します。

万一提出後誤りに気づいた場合は、故意ではないことを証明するためにも、できる限り早急に申請先へ連絡をすることが肝要です。

東京都補助金・助成金の活用事例

活用事例

東京都補助金・助成金の活用事例を2つ挙げます。

 

東京都の助成金を活用し、DXによる都市型建設企業の実現|鈴木建設株式会社

鈴木建設

鈴木建設株式会社は2013年に設立され、舗装工事・下水道開削工事・下水道の補修工事を専門に行っている会社です。

主な取り組みポイントは3つです。

デジタル黒板の導入


資材の無駄に気付き「製造業としてゴミを減らすべきではないか」と考え、デジタル黒板の導入を決意しました。

写真撮影や報告書作成が現場で完結し、検査前の準備にかかる時間が大幅に短縮されました。

導入にあたっては若手社員が黒板への入力・操作方法を学ぶための研修を実施し、外部の協力業者にも社員を派遣してトレーニングを行いました。

これまで書類作成のため残業をしていた現場監督にとっても負担軽減につながりました。

カメラ検査システム搭載車両による下水道管の遠隔調査


下水道業界では若手の作業員が多く、熟練者の不足が大きな課題となっていました。

状況を打開する契機となったのが、展示会で出展されていたカメラ付き特殊車両
でした。

ネックは一台あたり5,600万円の費用負担で、導入に向けて慎重な検討が1年間要しました。

助成金申請にあたって詳細な事業計画策定に苦労しましたが、メリットを強調することで成果につながりました。

ウェアラブルカメラの導入

ヘルメットに取り付け可能なウェアラブルカメラの導入は、現場でのサポート強化に大いに役立ちました。

若手が多い現場で遠隔地にいる本社のベテラン社員が現場の様子を確認し、リアルタイムでアドバイスを提供できるようになりました。

助成金の活用は若い従業員のスキルアップだけでなく、会社の成長に大きくつながりました。

ものづくり補助金を活用し、主力サービスの採用管理システムをリニューアル|ウィノテック株式会社 

ウィノテック

2014年に設立されたウィノテック株式会社は、特にバイリンガル人材の採用を総合的にサポートするための採用ブランディングサービスを提供しています。

主な取り組みポイントは3つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

顧客の声を反映しながら、バイリンガル対応の採用管理システムを展開


補助金を活用して採用管理システムの提供・キャリアイベントの企画運営・企業のための採用ブランディング支援を行いました。

「Hire Planner」は日本語と英語の両方に対応可能なシステムで、外国人採用を円滑に進めるための機能が備わっています。

資金面の不安をものづくり補助金が解決

新しい開発プロジェクトを進める上で、まず課題となるのは資金調達です。

コロナで資金繰りの悪化が懸念材料となったため、補助金の利用を検討し、最終的に「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の活用を決定しました。

補助金申請では決められた頁数で他者に正しく伝えなければなりません。

そこで何度も文章を練り直し、社内外のスタッフからフィードバックをもらいながら、客観的な視点を取り入れることで計画の完成度を高め採択に至りました。

オンラインイベントを通じてシステム導入を図る


採用管理システムの刷新プロジェクトを進める中で、新たな販促活動としてオンラインイベントに積極的に取り組むことにしました。

年3回ほど実施したイベントは、約20の企業と200人ほどの求職者が参加する規模で行い、評判は上々でした。

結果として新たに関係を築く企業が多数生まれ、システム契約につながりました。

東京都の補助金・助成金を上手に活用し、事業拡大のチャンスをつかもう!【まとめ】

まとめ


本記事では東京都の補助金・助成金の特徴・注意すべきポイントを詳しく解説しました。

補助金・助成金はそれぞれ異なる目的・金額設定・申請手続き・審査の仕組みがあります。

どの制度が自社の事業や目標に最も適しているのかをしっかりと見極め、申請期限を守って手続きを進めることが大切です。

事業の成長や安定に寄与する力強い支えとなりますが、不正受給や制度の悪用は法的・社会的に処罰されます。

誠実な活用こそが長期的な信頼と成果を生む鍵です。

補助金・助成金を活用して、事業拡大のチャンスをつかみましょう。