コラム
コラム
【経営者必見】ものづくり補助金の申請前に抑えておきたい加点項目と減点項目を一気に解説
「ものづくり補助金の加点項目と減点項目とは?」
「どのような要件を満たすと、ものづくり補助金の審査に通過しやすくなる?」
ものづくり補助金の申請を検討中の方も多いでしょう。
ものづくり補助金の審査に通過するためには、加点項目を満たし、減点項目を避ける必要があります。
本記事ではものづくり補助金の加点項目・減点項目の詳細を解説します。
各項目で必要な要件をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
ものづくり補助金の加点項目は5つで減点項目は2つ
ものづくり補助金の加点項目は、成長性加点や政策加点などの5つの項目が設けられています。
ものづくり補助金の加点項目
5つの項目を細かく分けると、19個の要件があり、最大6項目を加点項目として申請できます。
ものづくり補助金の審査に通過するために、申請しやすい6つの項目に絞って、補助金申請前に要件を満たすための手続きを進めましょう。
一方でものづくり補助金の減点項目も、2つ設けられています。
ものづくり補助金の減点項目
減点項目はものづくり補助金の複数利用と、繰越欠損金を用いた課税所得の控除だけなので、事前によく確認しておけば避けられます。
ものづくり補助金とは?革新的な製品・サービス開発・改善を支援する補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者などの革新的な製品・サービス開発・改善を支援する補助金です。
ものづくり補助金の採択率は、満たしている加点項目の数で変動します。
実際6個以上の加点項目を満たすと、確実にものづくり補助金の審査に通過できます。
加点項目を1つも満たしていなくても、約3割の方はものづくり補助金の審査通過が可能です。
しかし4個以上加点項目を満たすと、採択率は60%近くまで引き上げられます。
ものづくり補助金の審査に通過したい方は、4個以上加点項目を満たしてから補助金を申請しましょう。
なおものづくり補助金制度の詳細を知りたい方は、次の記事で解説しているのでご確認ください。
ものづくり補助金の加点項目は審査に有利に働く要因
ものづくり補助金の加点項目は、補助金採択の審査に有利に働く要因です。
ものづくり補助金の目的に沿って、5つの加点項目が設定されており、要件を満たしている数が多いと、採択率が上がります。
合計で19個の要件が5つの加点項目に分けられており、同じ加点項目に分類される要件を複数個満たしても審査に有利に働きます。
ものづくり補助金の加点項目の組み合わせ
- パターン①:成長性加点、成長性加点、政策加点、災害等加点、賃上げ加点、女性活躍等の推進の取り組み加点
- パターン②:成長性加点、政策加点、政策加点、政策加点、賃上げ加点、賃上げ加点
- パターン③:政策加点、政策加点、災害等加点、女性活躍等の推進の取り組み加点、女性活躍等の推進の取り組み加点
ものづくり補助金の申請前に、それぞれの企業が取り組みやすい要件を見定めましょう。
ものづくり補助金の減点項目は審査に不利に働く要因
ものづくり補助金の減点項目は、補助金採択の審査に不利に働く要因です。
ものづくり補助金の目的に沿って、2つの減点項目が設定されています。
経営状況がひっ迫していると、複数回補助金を申請したり、条件がギリギリの状態で申請したりします。
減点項目に引っかからないために、取り返しがつかなくなる前にものづくり補助金を申請しましょう。
ものづくり補助金の成長性加点項目は経営革新計画の承認のみ
ものづくり補助金の成長性加点項目は、「有効な期間の経営革新計画の承認を取得している事業者」のみです。
経営革新計画には「付加価値額」や「給与支給総額」などの具体的な目標数値を記載し、国や自治体から承認を受ける必要があります。
補助金が有効活用される根拠となる計画書を提出していると、審査に有利に働きます。
経営革新計画の期間は3年から5年間で設定でき、有効期間中の申請が必要です。
申請から交付までのスケジュールを確認したうえで、成長性加点の申請手続きを進めましょう。
ものづくり補助金の政策加点項目は事業者の創業年数やパートナーシップ構築宣言の有無など
ものづくり補助金の政策加点項目は、事業者の創業年数やパートナーシップ構築宣言などの13個が指定されています。
対象の事業者として認められるためには、指定の要件を満たす必要があります。
ものづくり補助金の政策加点
- 事業者の創業年数
- パートナーシップ構築宣言
- 再生事業者
- DX認定事業者
- サイバーセキュリティお助け隊サービス
- 健康経営優良法人認定
- 技術情報管理認証制度
- J-Startupの認定
- 取引先事業者でのパートナーシップ構築宣言
- 新規輸出1万者支援プログラム
- J-クレジット制度
- GXリーグ
- カーボンフットプリント
たとえば事業者の創業年数に関しては、開業日や代表の就任日が、補助金公募期間中から起算して5年以内の事業者だと加点項目として判断されます。
またパートナーシップ構築宣言に関しては、補助金公募の締切日前日までに「パートナーシップ構築宣言」のポータルサイトで掲載されている事業者だと審査に有利に働きやすいです。
要件が細かく指定されている項目もあれば、対象の事業者として認定されるだけで要件を満たす項目もあります。
13個の項目の指定要件を整理して、自社に必要な加点項目を絞り込みましょう。
政策加点のそれぞれの指定要件は、ものづくり補助金の公募要領に記載されているので、気になる方は確認してください。
パートナーシップ構築宣言とは、事業規模に関係なく他社との共存共栄に取り組む宣言することです。
宣言した企業は全国中小企業振興機関協会のポータルサイトに、企業情報が掲載されます。
ものづくり補助金の災害等加点項目は事業継続力強化計画の認定のみ
ものづくり補助金の災害等加点項目は、「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」のみです。
事業継続力強化計画は、中小企業が自然災害・感染症などの緊急事態に早急に対応するための事前計画です。
策定した計画を提出し、経済産業大臣から認定を受ける必要があり、認定を受けるまでには45日ほどの時間がかかります。
事業継続力強化計画の期間は3年間で、有効期間中の申請が必要です。
2つの期日を意識して、いつまでに経済産業大臣に事業継続力強化計画を提出すればよいか確認しましょう。
ものづくり補助金の賃上げ加点項目は賃上げ要件と被用者保険の適用範囲の2つ
ものづくり補助金の賃上げ加点項目は、「賃上げ要件」と「被用者保険の適用範囲」の2つが指定されています。
労働者に寄り添った事業運営をしていると評価されやすいため、働き手に還元している自信のある事業者は、賃上げ加点に力を入れましょう。
賃上げ要件に関しては、年平均成長率の大きさに合わせて2種類の要件が設定されています。
給付支給総額 | 賃上げ加点の要件 |
---|---|
年平均成長率が 平均3%以上増加 | 事業場内最低賃金を毎年3月に地域別最低賃金より+50円以上 かつ 毎年+50円以上ずつ増加 |
年平均成長率が 平均6%以上増加 | 事業場内最低賃金を毎年3月に地域別最低賃金より+50円以上 かつ 毎年+50円以上ずつ増加 |
どちらかの要件を選び、増加目標を満たした事業計画書を策定し、賃上げの誓約書を提出すれば、補助金の審査で加点されます。
また被用者保険の適用範囲に関しては、従業員が51人から100人いる事業者のみが対象者に指定されています。
加えて2024年10月の制度改革以前に、短時間労働者を社会保険に加入させていると、補助金の審査で加点されやすいです。
被用者保険の加点を検討中の方は、申請時に特定適用事業所該当通知書を送付しましょう。
特定適用事業所該当通知書とは、適用事業所の厚生年金保険の被保険者が51人以上在籍する可能性がある企業に送られる通知書です。
1年のうち6ヵ月間、指定された被保険者の在籍数を維持できている企業にのみ通知書が送られます。
ものづくり補助金の女性活躍等の推進の取り組み加点項目はえるぼし加点とくるみん加点の2つ
ものづくり補助金の女性活躍等の推進の取り組み加点項目は、「えるぼし加点」と「くるみん加点」の2つです。
えるぼし加点は一定以上の女性の社会的な活躍が見られる企業が加点される項目で、くるみん加点は子育て支援に積極的な企業が加点される項目です。
女性活躍等の推進の 取り組み加点 | 要件 |
---|---|
えるぼし加点 | えるぼし認定を受けること 従業員100人以下で「女性の活躍推進企業データベース」に一般事業主行動計画を公開すること |
くるみん加点 | くるみん認定を受けること 従業員100人以下で「両立支援のひろば」に一般事業主行動計画を公開すること |
どちらも所定の認定を受け、対象のページに行動計画を公開すると、加点要件が満たせます。
対象のページに行動計画が公開されてから、補助金を申請する際には、行動計画が公開されたサイトのURLを共有しましょう。
なおえるぼし認定とくるみん認定の詳細を知りたい方は、次の記事で解説しているのでご確認ください。
ものづくり補助金の2回以上の交付申請・交付決定は減点項目に関わる
ものづくり補助金の2回以上の交付申請・交付決定は、申請時に減点されやすいです。
過去3年以内にものづくり補助金の交付を申請した企業は、審査時にマイナスに働きます。
一度審査に落ちると、2回目以降の審査では1回目の審査以上に不利になるため、1回目で審査に通過できるように念入りに審査の準備を進めましょう。
また過去3年以内に、1度ものづくり補助金が交付されている場合は、補助金が申請できません。
ものづくり補助金は1回限り使える補助金と考えて申請しましょう。
ものづくり補助金の繰越欠損金による課税所得の控除も減点項目に関わる
ものづくり補助金申請時に、繰越欠損金による課税所得の控除が確認されると審査に通過しづらくなります。
ものづくり補助金には通常枠やデジタル枠などの、5つの枠組みが用意されています。
ものづくり補助金の枠組み
- 通常枠
- デジタル枠
- グローバル市場開拓枠
- グリーン枠
- 回復型賃上げ・雇用拡大枠
目的別に分けた5つの枠組みのうち、回復型賃上げ・雇用拡大枠を受ける場合、「前年度の事業年度における課税所得がゼロ以下である」の要件が必要です。
繰越欠損金を利用すると、当期の赤字額を翌期以降の黒字額で相殺すれば、法人税の課税所得が減らせます。
繰越欠損金の影響で対象の要件を満たしている場合に、補助金申請で減点されます。
繰越欠損金とは、過去に発生した赤字を将来の利益で相殺して控除できる制度です。
税負担を軽減したり、キャッシュフローを改善したりする目的で活用されます。
まとめ
ものづくり補助金は大きく分けて、「成長性加点」「政策加点」「災害等加点」「賃上げ加点」「女性活躍等の推進の取り組み加点」の5種類の加点項目が設定されています。
通常だと約3割しかものづくり補助金の審査に通過できません。
しかし加点項目の要件を満たすと、倍以上の確率で審査に通過しやすくなります。
ものづくり補助金は再申請すると減点されやすいため、初回で審査に通過する必要があります。
ものづくり補助金の審査に通過したい事業者は、加点項目・減点項目をチェックして、審査を有利に進めましょう。
財務支援に強いTaigen
補助金申請から資金調達まで、Taigenが貴社の財務強化を支援します。
補助金のプロが、貴社の成長に必要な資金をしっかりサポート。
補助金の活用で一歩先へ、今すぐTaigenにご相談を!