コラム

補助金で建設業のDX化を加速させる秘訣とは?

はじめに

現代の建設業を取り巻く環境としては、物価や人件費の高騰が大きな課題となっています。これらは資金繰りの悪化や人手不足といったさまざまな観点から経営に影響を及ぼす事象です。

また特に2024年4月に施行される建設業の時間外労働上限規制に対応するため、効率的な業務管理や自動化が求められています。このような現状からDX化のニーズがますます高まっているといえるでしょう。

本記事では、建設業においてDX化を加速させるための補助金の活用について紹介しています。すでにDX化に着手し始めた事業者のみなさまだけでなく、課題を感じているみなさまにも役に立つ記事のため、参考にしてみてください。

建設業のDX化とは

DX化とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、IT技術を活用してビジネスモデルや業務プロセスを根本から変革し、競争優位性を確立することです。

建設業におけるDX化は、特に効率化や生産性向上を目指すことが多いと考えられます。

たとえばデジタルツイン技術やBIM(Building Information Modeling)を導入することで、建設プロジェクトの全体管理の精度を向上させることができます。

建設業における課題

建設業のDX化においては、課題があります。代表的な課題を紹介しますので当てはまるか検討してみてください。

IT技術や知識の不足

建設業を営む事業者の中には、新しいIT技術やソリューションの導入に対する知識が不足しているこ事業者も少なくありません。

このようなケースでは、技術や知識が高いハードルとなって導入に二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。

資金調達が困難

DX化に向けて技術や設備投資を行うためには高額な初期投資が必要となることも少なくありません。

このような場合には、資金調達の問題も発生します。資金調達にはさまざまな方法がありますが、ここでは補助金の活用をその解決策として紹介します。

なお補助金を活用する場合には、申請プロセスが煩雑であり知識と時間が必要となるといった課題や、不採択となるリスクも存在するため、注意が必要です。

建設業で利用できる補助金の種類

事業再構築補助金

事業再構築補助金

補助額:1,500万~1億円
補助額:1/2or2/3
補助対象:建物費・システム構築費・販売促進費等

事業再構築補助金は、産業構造の変革に対応するため、新たなビジネスモデルを構築したり新事業を開始する企業を支援するための補助金です。

建設業者が新分野に展開する場合にも適用されます。大きな補助額と幅広い補助対象額が魅力の補助金です。

IT導入補助金

IT導入補助金

補助額:50~450万円
補助額:1/2or2/3or3/4or4/5
補助対象:PC・タブレット等、レジ・券売機等

IT導入補助金は、企業がITツールを導入し業務の効率化や生産性向上を図ることを目的としています。

プロジェクト管理ソフトや生産管理システムなど、建設業におけるIT化をサポートする経費の一部を補助します。中小企業や小規模事業者が申請でき、IT化による建設工事の効率化を図る手助けとなす補助金です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金

補助額:1,000~4,000万円
補助額:1/2or2/3
補助対象:システム構築費・機械装置費等

ものづくり補助金は、高度なものづくりを実現するための機械設備の導入や技術開発を支援する補助金です。

建設業者が最新の建設機械や自動化機器を導入することで、生産性を向上させることができます。この補助金は特に、革新的な技術を用いたプロジェクトに対して優先的に交付されます。技術面での競争力を強化したい企業には最適です。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金

補助額:50~250万円
補助額:1/2or2/3
補助対象:機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費等

小規模事業者持続化補助金は、商工会議所や商工会が中小企業を対象に行う補助金です。

マーケティング技術の向上や新製品の開発、販路開拓など、小規模事業者が事業を持続的に成長させるための経費に対する補助があります。建設業においても、地域密着型のサービス提供や新規顧客開拓に利用できます。

補助上限額は比較的少ないですが、小規模事業者が手軽に利用できる補助金です。

上記リンクは商工会議所地区の募集サイトです。
ご自身の事業者が商工会の地区に所在する場合には、こちらからご確認ください。

補助金を活用したDX化の具体例

プロジェクト管理ソフトの活用

建設業では複数のプロジェクトを並行して管理することが求められるケースが多いという特徴があります。そのためプロジェクト管理ソフトの導入は非常に有効です。

このようなソフトウエアの導入にIT導入補助金を活用した事例があります。この補助金を利用することで、多額の初期導入費用を抑えることができ、建設工事の進捗管理や経費の効率的な管理が実現しました。

具体的には、プロジェクト管理ソフトを導入することで、リアルタイムで工程管理やコスト管理を行うことが可能となりました。業務プロセスがスムーズに進行し、工事の遅延や追加費用の発生を防ぎやすくなるという効果を実感することができています。また関係者とのコミュニケーションが円滑になり、情報共有のスピードが上がる点も大きなメリットです。

自動化機器の導入

建設業では資材の搬入や作業の自動化が生産性の障壁となっているケースが少なくありません。

このような課題に対して、ものづくり補助金を活用することが可能した事業者があります。建設現場において人手不足が深刻化していたため、ロボットやドローンなどの自動化機器の導入しました。

具体的には、重い資材を自動で運搬するロボットや、建設現場を空中から監視・測量するドローンなどがあります。これらの自動化機器は、労働時間を大幅に削減し、人件費の削減にも寄与します。また、精密なデータ収集が可能となり、施工ミスの防止や品質の向上にも繋がります。

さらに、令和6年(2024年)から施行される建設業の時間外労働上限規制を見越して、生産性向上は急務となっています。補助金を上手く活用することで、中小企業でも最新の自動化技術を導入しやすくなるでしょう。

補助金申請の手順とポイント

申請に必要な書類

補助金を受けるために必要な書類は、補助金により異なります。必ず補助金ごとに最新の募集要項を確認して申請準備を進めるようにしてください。共通して必要となる可能性の高い書類を紹介しますので、参考になれば幸いです。

まず事業計画書が必要です。様式は補助金によって異なりますが、どのような目的や方法で補助金を活用するかを詳細に記載するものです。計画の実現可能性や効果を審査するための重要な資料です。

また収支計画書も必要となるでしょう。予算内でどのように資金を運用するかを示し、経費の内訳や見積もりを具体的に記載する資料です。

ほかにも、法人格を証明する登記事項証明書や決算報告書、納税証明書といった書類はほとんどのケースにおいて必要になると考えていただくとよいでしょう。

申請のコツ

補助金の申請の際に気を付けるべき点についても紹介します。

まず申請書類の不備がないように注意が必要です。書類の不備は審査の遅延につながるだけでなく、印象を悪くしてしまう要因ともなるため、提出前に複数回のチェックを行うとよいでしょう。申請期限を厳守することも重要です。申請期限を過ぎての応募はどんなに素晴らしい計画であっても審査の対象外となってしまいます。

また事業計画の具体性や一貫性も重要なポイントとなるでしょう。計画が具体的であればあるほど、審査員にその実現性を納得させやすくなります。また地域経済や雇用への波及効果を明示することも評価されやすい計画書の共通点といえるかもしれません。

これらの情報と、それぞれの補助金の過去の採択事例を見れる場合には実際の計画書にも目を通していただくと、より有利に申請を進められる可能性があるといえます。ぜひ参考にしてみてください。

補助金を活用したDX化の効果

業務効率の向上

補助金を活用して建設業のDX化を進めることは、業務効率の向上に大きく寄与するでしょう。

たとえばIT導入補助金を利用してプロジェクト管理ソフトを導入することで、業務全体の可視化が進み、進捗管理やスケジュール調整が格段に容易になります。これにより、コミュニケーションの円滑化が図られ、無駄な作業や重複作業の削減が期待できるでしょう。

また情報の共有が迅速になり、意思決定のスピードも向上することが考えられます。

コスト削減

建設業のDX化の効果としては、コスト削減も見逃せないポイントです。

自動化機器の導入によって人件費の圧縮が可能になる可能性があるほか、効率的な資材管理システムの利用で材料の無駄使いを防ぐことができるでしょう。

最新技術を導入する際の初期コストを抑えることができるため、投資リスクを軽減しやすくなる点もメリットといえます。さらに長期的には運搬費用や保管費用も削減されるため、持続的なコストメリットが得られると考えることもできるでしょう。

地域経済への波及効果

建設業が補助金を活用してDX化を進めることは、地域経済にも大きな波及効果をもたらします。

たとえば建設工事の効率が上がることで、地域内でのインフラ整備や住宅建設のスピードが向上し、経済活動が活性化する可能性があります。

地元の中小企業や事業者も補助金を受け取ることで、新たな設備投資や雇用拡大が可能となり、地域全体の経済が循環して発展するケースもあるでしょう。結果として地域の魅力が高まり、移住者の増加にもつながる可能性があるため、注目すべきポイントです。

まとめ

建設業では時間外労働上限規制や原油高をはじめとするコストの増加に伴い、のDX化を推進を急務とする企業が多く存在します。

DX推進のための資金調達の手段として、補助金の活用は非常に有効といえるです。特に中小企業や個人事業者にとって、補助金は技術導入の資金負担を軽減し、生産性向上や業務効率の向上に寄与する可能性が高いといえるでしょう。

本記事では、建設業で利用できる様々な補助金の種類や申請手順、具体的なDX化の事例について詳しく解説しました。あなたの事業者にあった補助金を選び、効率よく申請を進めることで、会社としての未来を築くことができます。

補助金を活用して、業務効率の向上やコスト削減、地域経済への波及効果を最大限に引き出していけるといいですね。

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