コラム

フリーランス向け!給付金・補助金の基礎知識

はじめに

フリーランスで事業を立ち上げたとき、資金面で支援が受けられたらと考える事業者の方も多いでしょう。

融資で資金調達をするケースも少なくありませんが、選択肢として検討することが多いのが給付金や補助金です。

本記事では、給付金・補助金・助成金のなかで事業を立ち上げたフリーランスの方が利用しやすいものをピックアップしています。

給付金とは?

給付金の基本概念

給付金とは、事業者や個人を対象に、特定の条件を満たすことで無償で支給される金銭を指します。

基本的には、事業や生活の支援を目的としているため、返済の義務がないのが特徴です。
経済的困難を乗り越えるための貴重な金融資源となる一方で、突発的な要因がないと利用できない側面を併せ持ちます。

また給付金を受け取れる時期には制限がある点も特徴といえるでしょう。

 給付金の種類と特徴

給付金にはさまざまな種類がありますが、それぞれ目的や対象が異なります。

直近で幅広い事業者を対象としていた給付金には、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの持続化給付金などが思い浮かぶ方も少なくないでしょう。
生活困窮者に対する給付金としては、新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金がありました。

条件を満たす場合には給付を受けることができる点が、補助金との大きな違いです。

補助金とは?

補助金の基本概念

補助金とは、国や自治体が特定の目的に対して支給する資金のことを指します。

補助金は主に経済の活性化や地域社会の発展、技術革新の促進などを目的としています。そのため法人や個人事業主を対象としていることが多い点が特徴です。

補助金は経費の一部または全部をカバーするため、その補助事業を資金面でサポートする役割があります。特に新しいサービスの開発や事業の拡大を検討している事業者にとっては、有用な資金源となるでしょう。

補助金の種類と特徴

補助金には様々な種類があり、それぞれの補助金によって対象となる事業者や事業内容、経費が異なります。
実際に補助金への応募や申請を検討する際には、どの補助金があなたの検討している事業にマッチしているかをしっかりと比較検討することが大切です。

以下に代表的なものをいくつか示します。

事業再構築補助金

事業者持続化補助金

この補助金は、新しい事業分野への進出や、事業の再編成を支援するための補助金です。

フリーランスの方が活用を検討する場合には、新しいビジネスモデルを構築する際に役立ちます。
ただし既存の事業のある事業者を対象とした補助金のため、スタートアップ企業より、一定期間事業を継続してきた事業者に向いている補助金といえるでしょう。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者を対象に、経営の安定化や持続化を図るための経費を補助する制度です。

店舗の改装やマーケティング活動など、幅広い用途に使用できます。

ものづくり補助金

ものづくり補助金

製造業やサービス業での生産性向上を目的とした補助金です。

新しい機械の導入やIT化を支援することが主な目的です。

各種創業者向け補助金

創業者向け補助金・給付金

各都道府県を主体に取り扱っている補助金には、新しく事業を始める新しく事業を始めるフリーランスや起業家をサポートするものが多く存在します。
このような補助金では、主に創業時の初期費用やマーケティング費用などが補助されます。

これらの補助金を利用することで、フリーランスや中小企業の事業者は新規事業の展開や事業の拡大を容易に進めることができます。
申請する際には対象となる条件や必要な書類があるため、事前に詳細を確認することが重要です。

助成金とは?

助成金の基本概念

助成金とは、政府や地方自治体が特定の事業や活動を支援するために、一定の条件に基づいて支給する資金のことです。
助成金は返済義務がないため、受給者にとって非常に魅力的な支援手段です。

特にフリーランスや起業したばかりの経営者にとっては、大きな助けとなる場合が多いです。
助成金の目的は、地域経済の活性化や雇用の促進、技術革新など様々です。

助成金の種類と特徴

助成金には多くの種類があり、それぞれ特徴があります。

たとえば、フリーランスが受けられる主な助成金としては、以下のものがあります。

  • 人材開発支援助成金
  • トライアル雇用助成金
  • 地域雇用開発助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 雇用調整助成金

これらの助成金は、特定の条件を満たすことで申請が可能となり、それぞれに必要な書類や手続きが異なります。したがって、申請前に詳細な条件や要件を確認することが重要です。助成金を有効に活用することで、事業の安定につなげることができるでしょう。そのため事業者が成長機会を得られる可能性も広がります。

フリーランスが活用できる主な給付金、補助金、助成金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、フリーランスを含む小規模事業者が自らの事業を持続的に発展させるために利用できる補助金です。

対象となる経費には広報費や店舗の改装費、設備の導入費などが含まれます。

特に、経営計画に基づいた事業活動を支援するためのものですので、具体的な計画を持って申請に挑むことが大切です。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、既存の事業を再構築し、新たな市場へ進出するための補助金です。

経営者がコロナ禍で新たにビジネスモデルを構築したり、新サービスを開始する際の費用を支援するために設けられました。

対象となる経費には、設備投資費やシステム導入費、人件費などが含まれています。

その他の給付金、補助金、助成金

その他にも、フリーランスが活用できる給付金や補助金、助成金は多数あります。

IT導入補助金は、業務効率化のためにITツールを導入する際の経費を補助するものです。また創業補助金は、新たに事業を開始する際の初期投資費用を支援するための補助金です。

さらに助成金としてはキャリアアップ助成金や雇用調整助成金があり、人材育成や雇用維持に役立てることができます。

申請の流れと注意点

申請に必要な書類

補助金や助成金を申請する際には、いくつかの書類が必要です。

基本的には事業計画書や事業概要書が求められます。これらの書類には事業の目的や内容、実施方法、経営方針を記載する必要があります。そのため補助金や助成金を検討する際には、ご自身の事業の強みや弱み、今後の経営方針を改めて確認しておくとスムーズでしょう。

また申請者の身分証明書や所得証明書、納税証明書も必要です。補助金や助成金の種類によっては、これらの書類以外にも用意が必要となる場合があります。事前に検討している補助金や助成金の要綱に目を通しておくことが重要です。

申請のステップと手続き

補助金や助成金の申請は、以下のステップで進めるとスムーズです。

まず対象となる補助金・助成金を選び、募集要項を詳細に確認します。そのあとに必要な書類を準備し、事業計画を立案します。この計画は具体的でなくてはなりません。また実現の可能性が高い計画であることが求められるため、詳細にわたって記載することがポイントです。書類の準備が整ったら、自治体や関係機関に提出します。提出後は審査が行われ、結果が通知されます。

審査期間や支援を受けられる期間は、各種補助金・助成金によって異なります。
あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

注意点と落とし穴

補助金や助成金の申請にはさまざまな注意点があります。

まず申請書類の不備や誤記載は、審査において大きなマイナスとなるでしょう。特に補助金の場合には、応募したすべての事業者が採択されるわけではありません。そのため正確に記載することが重要です。

また提出期限をはじめとしたスケジュールを守ることも非常に重要です。申請期限を過ぎてしまうと申請そのものが受理されません。また補助事業期間以外の支出も補助金の対象とはなりません。スケジュールをしっかりと確認し早めに進めることがポイントとなるでしょう。

さらに申請を検討している補助金・助成金が自分の事業や活動内容に適合しているかを確認することも欠かせません。無理に申請しても、審査に通過しない可能性が高くなってしまうでしょう。また偽った申請を行い不正受給が発覚すると、返金を求められるだけでなく、法律上の罰則もあります。

成功事例と失敗事例

成功した事例の紹介

フリーランスが補助金を有効に活用して成功した事例をいくつか紹介します。

小規模事業者持続化補助金を活用した事例

フリーランスのウェブデザイン業者が小規模事業者持続化補助金を活用した事例です。

この業者は補助金を利用して新しいデザインソフトウェアを導入し、業務の効率が大幅に向上しました。クライアントへのサービス提供時間が短縮され、新規クライアントの獲得にも成功しています。

事業再構築補助金を活用した事例

飲食業を営むフリーランスが新しいデリバリーサービスを開始するために、事業再構築補助金を活用しました。

補助金により必要な設備やマーケティング費用を賄うことができ、事業の立ち上げ初期から多くの顧客を獲得することに成功しました。経費を抑えた上で迅速に市場に参入できた成功事例の1つです。

失敗した事例の教訓

一方、助成金や補助金の申請に失敗してしまった事例もあります。

トライアル雇用助成金を利用しようとした事例

このフリーランスは新入社員を雇用する計画でした。

申請手続きを誤り、必要な書類が不足していたため、助成金を受け取ることができませんでした。申請の流れや必要な書類をしっかり確認することが重要といえる事例といえるでしょう。

事業再構築補助金を利用しようとした事例

事業再構築補助金に応募したケースです。
計画の具体性に欠けていたため、審査で不採択となってしまいました。

このケースでは、計画書の内容が曖昧だったため事業のメリットや実現可能性をうまく伝えられなかったことが原因でした。補助金の申請書類を作成する際には、具体的かつ詳細な計画と実績見込みを示し、実現の可能性が高いことを示すのが重要だということが分かるでしょう。

まとめ

フリーランスや個人事業主として起業を考えている方にとって、給付金や補助金、助成金を適切に活用することは、経営をスムーズに進めるための重要な手段となります。それぞれの制度には特徴がありますので、自分の事業に最適なものを選び、効率的に申請することが重要です。

特に、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金は多くのフリーランスが利用できる補助金です。また、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金も、雇用環境を整備する経営者にとって非常に有用です。

これらの制度を効果的に活用するために、申請に必要な書類や手続きの流れを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。申請プロセスの理解不足や書類準備の甘さは、せっかくのチャンスを逃してしまう原因になり兼ねません。また成功事例や失敗事例を参考にすることで、具体的なイメージを持ちやすくなります。実際の経験談からもヒントを得てご自身の事業計画をブラッシュアップすることも大切です。

また専門家のアドバイスを受けることも重要です。より確実に給付金や補助金、助成金を活用する道が開けるでしょう。補助金や助成金で支援を受けることは、フリーランスとしての事業の成長にもつながる可能性が高いといえます。この記事が参考になれば幸いです。

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