コラム
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【起業家必見】新たな資金調達手法CVCを徹底解説
資金調達に悩む起業家やベンチャー企業の皆さん、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)をご存じでしょうか?
新しい事業展開や市場参入を目指す中で、資金だけでなく事業会社との連携を深められるCVCは、魅力的な選択肢の一つになります。
しかし、「CVCとは何か」「どう活用すればいいのか」など、知識が不足していると判断が難しいこともあります。
この記事では、補助金申請代行で90%以上の高採択率を誇り、事業再構築補助金の全国上位採択件数を誇る経営支援の専門家が、CVCの基本から活用方法までを徹底的に解説します!
記事を読むことで、以下の3つの重要なポイントを知ることができます。
- CVCの基本的な知識とその役割:CVCとVCの違いや、なぜ注目されているのかを明確に理解。
- CVCのメリット・デメリットと活用の実例:成功するための条件やリスク回避策を解説。
- CVCを選ぶコツと導入手順:自社に最適なCVCを見つけるための具体的なポイント。
この記事を読み終える頃には、CVCを活用した明確なビジョンを持ち、次の一歩を自信を持って踏み出せるようになります!
CVCとは何か?基礎知識を解説
まずはCVCが何かということを理解しましょう。
CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)とは?
CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)とは、事業会社が主導して運営するベンチャーキャピタルのことです。
通常のVC(ベンチャーキャピタル)が純粋に利益を追求する投資を行うのに対し、
CVCは投資を通じて企業の成長と自社の事業拡大やイノベーションを同時に目指します。
これは自社の持つ資源やネットワークを活用して、スタートアップ企業の育成を支援する仕組みともいえます。
CVCとVCの違い
CVCとVCは似ているようで、大きな違いがあります。
それを以下の表にまとめました。
特徴 | CVC | VC |
---|---|---|
資金提供者 | 事業会社(企業内部の資金) | 独立系投資会社、金融機関など |
投資目的 | 自社とのシナジー効果、新規事業の模索 | 投資リターンの最大化 |
投資期間 | 比較的長期 | 短期から中期 |
投資対象の選定基準 | 自社事業との関連性 | リターンが期待できる事業全般 |
投資後の関係性 | 事業連携や技術共有が重要視される | 基本的に独立 |
具体的な違いとして、CVCは自社の成長を助けるという視点が強いのに対し、VCは投資リターンが最優先される点が挙げられます。
この違いから、CVCはより密接な関係を築きたいスタートアップにとって、有力な選択肢となります。
CVCとM&Aの違い・関係性
CVCとM&A(企業の合併・買収)の違いは、投資目的やアプローチ方法にあります。
M&Aは企業全体を取得することで直接的な経営権を得る方法ですが、
CVCは部分的な資金提供を通じて、柔軟な関係を築く手法です。
たとえば、CVCを利用すると以下のようなメリットがあります。
- スタートアップの成長を見守りながら、将来のM&Aを検討できる
CVCによる出資は少額から可能なため、リスクを抑えながらスタートアップの可能性を評価できます。 - 経営権を持たずにスタートアップと協力関係を築ける
経営に直接関与しないため、スタートアップの独自性を損なわずに事業提携を進められます。
これらの特性からCVCはM&Aの事前ステップとして活用されるケースも多く、両者は補完的な関係にあるといえるでしょう。
CVCが注目される背景
CVCが注目される理由には、以下のような社会的・経済的な背景があります。
- オープンイノベーションの潮流
自社だけではイノベーションを生み出すことが難しい時代となり、
外部のスタートアップと協力する必要性が高まっています。
経済産業省もオープンイノベーションの重要性を強調しており、
CVCはその推進手段として位置付けられています。
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240417004/20240417004.html - スタートアップ支援の強化
日本国内では2023年のスタートアップ育成5か年計画に基づき、
スタートアップ企業への投資や支援が強化されています。
CVCもこの動きに対応する形で設立数が増加しています。https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/434.pdf - 新興市場への参入ニーズ
急成長するテクノロジー分野や脱炭素事業など、
新たな市場への参入を図る企業にとってCVCは有力な手段です。
このようにCVCは時代のニーズに応じた柔軟な投資手法として、多くの企業から注目されています。
特に成長意欲の高いスタートアップにとって、CVCは重要な資金源かつ成長パートナーとなります。
CVCを活用するための仕組みと条件
CVCの基礎がわかったところで、次は仕組みを理解しましょう!
CVCの投資戦略
CVCの役割は、投資を通じて事業会社の成長とスタートアップの発展を両立させることです。
これを実現するためにCVCは独自の投資戦略を持っています。
CVCの投資戦略は、事業会社のビジョンや目標に基づいて設計されるのが特徴です。
たとえば、以下のような戦略があります。
- 事業シナジーを重視した投資:既存事業と相乗効果を生むスタートアップに注力します。
- 長期的な関係構築:短期的な利益よりも、将来的な事業貢献を目指します。
投資の意思決定プロセス
CVCの投資意思決定プロセスは、通常の投資ファンドと似ていますが、事業会社の戦略や価値観が深く反映されます。
以下の流れで進行することが一般的です。
- 投資対象の選定
事業会社の戦略に合致するスタートアップをリストアップします。
業界レポートやネットワークを活用して候補を探します。 - デューデリジェンス(調査)
候補企業の財務状況、技術力、成長可能性などを詳しく調査します。
ここでは、事業シナジーの可能性も重視されます。 - 投資委員会の承認
投資の最終決定は、事業会社内の投資委員会で行われます。
自社戦略との整合性やリスク許容度が審議されます。 - 契約締結とフォローアップ
投資契約を締結した後も、スタートアップとの連携を深めながら事業をサポートします。
CVC投資先のEXIT方法
CVCにおけるEXIT(投資回収)は、事業会社の投資目的に応じて異なります。
一般的なEXIT方法は以下の通りです。
- IPO(新規株式公開)
スタートアップが株式市場で上場することで、投資した資金を回収します。
IPOはスタートアップの成長を示す指標でもあります。 - M&A(企業買収)
事業会社が投資先を買収することで、完全に取り込む方法です。
この場合、スタートアップの技術や人材を直接活用できます。 - 株式売却
他の投資家に株式を売却することで、資金を回収します。
この方法は、柔軟なEXIT戦略としてよく利用されます。
これらのEXIT方法は、事業会社の成長や投資収益の確保に寄与する重要なステップです。
CVC設立の成功ポイント
CVCを成功させるためには、明確な目的と慎重な運営が求められます。
以下のポイントが重要です。
- 戦略目標の明確化
投資活動の目的を明確にし、事業戦略と連携させることが成功の鍵です。
具体的には新規事業の創出や特定技術の獲得などの目標を設定します。 - 経験豊富な運営チームの確保
CVCの運営には、投資の専門知識と事業理解の両方が求められます。
外部のVC出身者を採用するケースも増えています。 - スタートアップとの信頼関係構築
投資先スタートアップとの信頼関係を築くことで、協力を円滑に進められます。
これにより投資成果が高まります。 - 柔軟な投資運営体制の構築
市場環境やスタートアップの状況に応じて、柔軟に対応できる運営体制が必要です。
CVCのメリットとデメリット
CVCを受けるとどのようなメリットでデメリットがあるか確認しましょう。
CVCから投資を受けるメリット
CVCから投資を受けることは、スタートアップ側に多くの利点をもたらします。
- 事業会社との関係性強化
CVCを通じて事業会社と提携することで、技術開発や事業拡大において強力な支援を得られます。
また、事業会社のリソースを活用することで、スタートアップの成長が加速します。 - 信頼性向上と認知度アップ
大手企業のCVCからの投資を受けることで、スタートアップの信頼性が向上します。
この信頼性が他の投資家や顧客との関係構築に役立ちます。 - 資金調達がスムーズに進む
CVCのネットワークや知識を活用することで、追加の資金調達がスムーズに行えるようになります。事業会社の支援を背景に他の投資家からの資金調達も容易になります。
CVCから投資を受けるデメリット
一方、CVCからの投資には以下のような注意点もあります。
- 経営の自由度低下の可能性
CVC投資を受けた場合、事業会社の方針や要求に影響を受けることがあります。
これにより、スタートアップ独自の経営判断が制限される場合があります。 - 競合他社との取引制限のリスク
CVCを運営する事業会社が特定の業界に関与している場合、競合企業との取引や協業が制限される可能性があります。
この点は事前に契約内容を十分確認することが重要です。
CVC活用の実例と成功事例
CVCを活用した事例を見てましょう。
国内CVCの事例
日本国内では、さまざまな企業がCVCを設立しており、それぞれの事例が参考になります。
- Z Venture Capital
Zホールディングスが設立したZ Venture Capitalは、IT分野やデジタルトランスフォーメーションに関連するスタートアップを対象に投資を行っています。
同社はYahoo! JAPANやLINEの技術基盤を活用し、スタートアップと連携した事業展開を目指しています。
https://zvc.vc/ - NTTドコモベンチャーズ
NTTドコモは、自社の通信事業とシナジーを生むスタートアップへの投資を行っています。
5G関連技術やモビリティ、ヘルスケア分野での投資が進んでおり、業界のイノベーションを牽引しています。
https://www.nttdocomo-v.com/
国外CVCの事例
海外でも多くの企業がCVCを活用しており、日本市場への影響も大きい事例があります。
Aflac Ventures Japan
アフラック生命保険が運営するCVCで、主に保険テックやヘルスケアスタートアップを対象に投資を行っています。
日本国内外のスタートアップを支援し、保険業界のデジタル変革を促進しています。https://www.aflacventures.com
成功事例から学ぶポイント
成功事例を振り返ると、CVC活用の効果を最大化するポイントが浮かび上がります。
- 明確な投資テーマの設定: 投資対象を明確にすることで、事業会社とスタートアップの連携がスムーズに進みます。
- 長期的な視点での支援: 短期的な利益を追求せず、継続的な支援を行うことが重要です。
- スタートアップとの関係構築: 投資だけでなく、共同プロジェクトや技術支援を通じて密接な関係を築くことが、双方の成長につながります。
CVC選びのコツ
どのような投資家を選ぶべきか、気をつけるポイントを見ましょう。
スタートアップが選ぶべきCVCの条件
CVCを選ぶ際には、以下の条件を考慮することが成功の鍵です。
信頼性のある投資先の見極め
投資先が信頼できる企業であるかどうかを確認することは、長期的な関係を築くうえで不可欠です。
信頼性とは、単に資金提供力があるだけでなく、企業の実績やコミットメントの強さも含みます。
信頼性のないCVCと提携すると、事業の方向性が迷走するリスクが高まります。
信頼性を確認するためには、以下の点を調査することが有効です。
- 提携後のスタートアップ支援の内容
- 長期的なビジョンの共有度合い
また、日本政府が公開しているスタートアップエコシステム推進会議のデータでも、信頼性の高いCVCと提携した企業が成長率の高い傾向にあることが示されています。
参照:
https://www8.cao.go.jp/cstp/ryoshigijutsu/20kai/sanko5.pdf
https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/index.html
たとえば、Z Venture Capitalは、投資先スタートアップへの経営サポートやネットワーク提供で評価されています。
信頼性の高いCVCを見極めるには、企業の実績や姿勢を徹底的に調査することが必要です。
それにより、適切なパートナーと提携でき、事業成功の可能性が高まります。
投資戦略との整合性確認
CVCの投資戦略とスタートアップの目指す方向性が一致しているかを確認することも重要です。
CVCの投資戦略がスタートアップの事業モデルと整合していない場合、
資金提供はあっても成長できない可能性があります。
整合性を確認するポイントは次のとおりです。
- CVCの投資領域
- 支援の方向性(技術開発、販路拡大など)
- 投資期間の長さ
たとえば、脱炭素事業を手がけるアスエネは、Aflac Ventures Japanと提携することで、資金調達のみならず、同じ脱炭素ビジョンを共有する市場開拓を実現しました。
https://earthene.com/
また、NTTドコモベンチャーズは通信関連技術に特化したスタートアップを支援しており、整合性の高い投資で多くの企業を成功に導いています。
CVCの投資戦略が自社の成長ビジョンと一致しているかを慎重に判断することが、長期的な成功のカギとなります。
それにより、資金だけでなく成長を加速させるパートナーシップが築けます。
まとめ
今回は、CVCについてその基本から活用方法、具体的な事例までを解説しました。
以下が重要なポイントです。
CVCのまとめ
- CVCは企業とスタートアップを結ぶ重要な仕組み
- VCやM&Aとは異なる独自の役割を持つ
- メリットにはリスク軽減や信頼性向上がある
- デメリットには経営干渉や取引制限の可能性
- 国内外の成功事例から学べる活用ポイント多数
- 投資戦略と選定基準が成功の鍵
CVCを理解し、正しく活用することで、事業拡大やイノベーション創出に役立てましょう。
また補助金も選択肢の一つに含めながら、事業を拡大していきましょう!
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