コラム
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2025年最新!事業承継・引継ぎ補助金はいつまで?申請方法やスケジュールを徹底解説
事業承継・引継ぎ補助金とは?
出典:事業承継・引継ぎ補助金
「事業承継・引継ぎ補助金」とは、以下の中小企業等を支援する補助金制度のことを指します。
- 事業承継やM&Aをきっかけに新しい取り組み等を行う中小企業等
- 事業再編や事業統合(M&A)にともなう経営資源の引き継ぎを行う中小企業等
- 廃業・再チャレンジを目指す中小企業者等
企業の経営権や事業を現在の経営者から後継者へ引き継ぐことを指します。
事業承継・引継ぎ補助金の目的や背景
「事業承継・引継ぎ補助金」が設立された背景として、日本の中小企業が抱えている後継者不足や、経営資源が消失しまうといった問題があります。
特に、経営者の高齢化が進む中、後継者がいない中小企業が増加しており、黒字経営であっても廃業を余儀なくされるケースが多い現状があります。2020年には廃業件数が過去最多の約5万件に達し、そのうち6割以上が黒字廃業という深刻な状況でした。
こうした後継者不在による廃業問題により、中小企業がこれまで蓄積してきた貴重な経営資源が失われるリスクが高まっています。廃業による経営資源の消失を防ぐための手段の一つとして、事業承継やM&A(企業の合併・買収)の重要性が認識されるようになりました。
M&Aは、経営資源を引き継ぐだけでなく、企業の生産性向上や業績改善にも良い影響があると言われています。しかし、潜在的にM&Aを必要とする企業は約60万社なのに対し、現在M&Aを実施できている中小企業は年間3~4千件程度に留まっているという試算データもあります。
「事業承継・引継ぎ補助金」は、中小企業が円滑にM&Aを行える環境整備を早急に行い、M&Aを必要とする企業と実施する企業のギャップを埋めることで経営資産の次世代への継承を後押しし、最終的に日本の経済の活性化を図ることを目的とした補助金制度です。
出典:中小企業庁:2024年版「小規模企業白書」 第5節 企業の規模間移動と開廃業
事業承継・引継ぎ補助金の対象となる3つの枠組み
「事業承継・引継ぎ補助金」では、補助の対象が「経営革新枠」、「専門家活用枠」、「廃業・再チャレンジ枠」の3つの枠組みに分かれています。
ここからは、「事業承継・引継ぎ補助金」の補助対象となる3つの取組内容の概要について解説します。なお、ここで解説する「事業承継・引継ぎ補助金」の内容は、公募要領(9次公募・10次公募)の内容に則っています。
①経営革新枠
経営革新枠は、事業承継やM&Aを契機として中小企業が新たな取り組みを実施する際に必要な経費を補助する枠組みです。
経営革新枠のなかには、事業承継の形態に応じて、補助金の申請類型が以下3つに分かれています。
創業支援類型(Ⅰ型)
創業支援類型(Ⅰ型)は、事業承継をきっかけに創業(開業や法人設立)をして、新規設備の導入や新たな販路開拓など、新たな経営改革に取り組む場合に適用されます。
経営者交代類型(Ⅱ型)
経営者交代類型(Ⅱ型)は、親族内承継や従業員承継によって経営者が交代した際、新規設備の導入や新たな販路開拓など、新たな経営改革に取り組む場合に適用されます。
M&A類型(Ⅲ型)
M&A類型(Ⅲ型)は、事業再編・事業統合等のM&Aをきっかけに、新規設備の導入や新たな販路開拓など、新たな経営改革に取り組む場合に適用されます。
②専門家活用枠
専門家活用枠は、M&Aや事業承継を支援する専門家を活用して、事業再編や統合をスムーズに進めるための費用を補助する枠組みです。
専門家活用枠は、補助金の申請類型が以下の「買い手支援類型」と「売り手支援類型」に分かれています。
買い手支援類型
M&A(事業再編・事業統合)にともなって経営資源を譲り受ける企業が、専門家の支援を受けながら事業承継や統合を実施する場合に適用されます。
売り手支援類型
M&A(事業再編・事業統合)にともなって経営資源を譲り渡す企業が、専門家の支援を受けながら事業譲渡を実施する場合に適用されます。
③廃業・再チャレンジ枠
廃業・再チャレンジ枠は、M&Aが成立せず、既存事業を廃業した上で新たな事業に挑戦する中小企業や個人事業主に対し、廃業に伴う経費や再挑戦に必要な経費を補助する枠組みです。
「事業承継・引継ぎ補助金」は上記3つの枠組みで成り立っている補助金ですので、ご自身の企業・組織がどういった状況なのかによって、申請する補助金の枠組みが変わってきます。
ここからは、「経営革新枠」、「専門家活用枠」、「廃業・再チャレンジ枠」それぞれの、補助額や補助対象事業、申請方法・公募スケジュールなどについて解説していきます。
事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』の補助額・申請方法・スケジュール
はじめに、事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』の補助事業計画の条件や補助対象経費、補助率・補助上限額、公募スケジュールと申請方法、成功事例についてご紹介していきます。
『経営革新枠』の補助適用条件
『経営革新枠』は、中小企業者や個人事業主が、事業承継やM&Aを契機として新たな取り組み(経営革新等)を行う際に、その経費の一部を補助する制度です。
具体的には、類型ごとに以下の条件を満たす必要があります。
創業支援類型(Ⅰ型)の補助適用条件
対象者
- 事業承継期間内に法人設立または個人事業主として開業する者。
- 廃業予定者などから、経営資源(設備、従業員、顧客など)を有機的一体(包括的)として引き継ぐことが必要。
要件
- 設備や資産単独の引継ぎではなく、事業全体を承継する必要があります。
- 引継ぎ後、事業の生産性向上や新市場開拓を目指す明確な計画が必要。
具体例
高齢化により廃業予定だった地域の製造業者から設備と従業員を引き継ぎ、新たな商品ラインを開発するといったケース。
経営者交代類型(Ⅱ型)
対象者
親族内承継、従業員承継、または経営再生を伴う事業承継を行う者。
要件
- 経営者交代後、新商品の開発や新たな市場開拓など、具体的な経営革新計画を持つこと。
- 必要に応じて、産業競争力強化法に基づく支援を受けていることが求められます。
- 経営等に関して一定の実績や知識等を有していることが求められます。
具体例
従業員がオーナーとなり、ITツールの導入や販路拡大による業務効率化を実現するといったケース。
M&A類型(Ⅲ型)
対象者
事業再編・事業統合を通じて事業を引き継ぐ者。
要件
- M&Aにより得た経営資源を活用し、新たな商品開発や市場進出など具体的な革新計画を実施。
- 必要に応じて、第三者承継支援を受けることが推奨されています。
- 親族内のM&Aは対象外。
- 経営等に関して一定の実績や知識等を有していることが求められます。
具体例
地域で唯一の特産品販売事業を買収し、新規販路を開拓。
共通の条件
- いずれの類型でも、経営革新計画の中で設備投資や販路開拓が含まれる必要があります。
- 補助事業期間内に契約・発注し、支払いを完了する必要があります。
『経営革新枠』の補助対象経費
『経営革新枠』の補助対象経費は、補助事業期間内に契約・発注・納品・検収・支払いが完了した経費のことを指します。具体的な例としては、以下のものが含まれます。
事業費
- 店舗等借入費:国内の店舗・事務所・駐車場の賃借料、共益費、仲介手数料
- 設備費:国内の店舗・事務所等の工事費、国内で使用する機械器具等の調達費用
- 原材料費:試供品・サンプル品の製作に係る原材料費
- 産業財産権等関連経費:補助対象事業実施における特許権等取得に要する弁理士費用
- 謝金:補助対象事業実施のために依頼した専門家等に支払う経費
- 旅費:販路開拓等を目的とした国内外出張に係る交通費、宿泊費
- マーケティング調査費:自社で行うマーケティング調査に係る費用
- 広報費:自社で行う広報に係る費用
- 会場借料費:販路開拓や広報活動に係る説明会等での一時的な会場借料費
- 外注費:業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費
- 委託費:業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費
廃業費(廃業・再チャレンジ申請と併用申請した場合のみ補助対象経費となる)
- 廃業支援費:廃業に関する登記申請手続きに伴う司法書士等に支払う作成経費
- 在庫廃棄費:既存の事業商品在庫を専門業者に依頼して処分した際の経費
- 解体費:既存事業の廃止に伴う建物・設備等の解体費
- 原状回復費:借りていた設備等を返却する際に義務となっていた原状回復費用
- リースの解約費:リースの解約に伴う解約金・違約金
- 移転・移設費用:効率化のため設備等を移転・移設するために支払われる経費(Ⅰ型、Ⅲ型のみ計上可)
『経営革新枠』の補助率・補助上限額
補助率
補助対象経費の 2/3以内 または 1/2以内
補助率が2/3以内になるには、以下いずれかに該当する必要があります。
- 中小企業基本法上の小規模企業者
- 物価高の影響等により、営業利益率が低下している者
- 直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者
- 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等からの支援を受けており、公募申請時において以下のいずれかに該当する ことを証明する書類を提出する者
- 再生計画等を「策定中」の者
- 再生計画等を「策定済」かつ公募終了日から遡って3年以内 の間( 令和 3年 5月 1日 以降) に再生計画等が成立等した者
補助上限額(全類型同様)
- 補助下限額:100万円
- 補助上限額:600万円以内または800万円以内
- 上乗せ額(廃業費):+150万円以内
『経営革新枠』の公募スケジュールと申請方法
『経営革新枠』の公募スケジュールと申請方法は以下のとおりです。
公募スケジュール(9次公募)
事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』の9次公募はすでに終了しています。ただし、2025年以降も補助金の10次公募や11次公募などが順次開始される可能性があるので、引き続き注視が必要です。
『経営革新枠』の申請方法
- 電子申請:申請はオンライン申請システム「jGrants」を通じて行います。
- 必要なアカウント:「gBizIDプライム」アカウントの取得が必須です。取得には1~3週間程度かかる場合があるため、早めの手続きをおすすめします。
申請手順は以下のとおりです。
- gBizIDプライムの取得
- 交付申請に必要な書類の準備
- 認定経営革新等支援機関への相談・確認書の発行
- jGrantsでの申請手続き
『経営革新枠』の補助金活用・成功事例
最後に、事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』の補助金活用・成功事例についてご紹介していきます。
合同会社福田商会の補助金活用事例(経営革新 × 創業支援型)
合同会社福田商会(愛知県、自動車小売業、従業員5名)は、2021年に父から事業を承継。
事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』を活用して大型フォークリフトを導入し、トラックのボディ載せ替えサービスを開始。
これにより顧客の多様なニーズに対応し、付加価値向上と在庫管理の効率化を実現。今後は新規取引先の開拓を進め、さらなる販路拡大を目指す。
有限会社MARUTAの補助金活用事例(経営革新 × 経営者交代型)
有限会社MARUTA(宮城県、食料品製造業、従業員18名)は、2023年に震災後の事業再建を経て長男が事業を承継。
事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』を活用し、冷凍庫や自動梱包機器、直売所用ショーケースを導入して生産性向上と品質保持を実現。
また、ジェラート製品の開発に取り組み、今後は生産工程の自動化やトレーサビリティ強化を進め、地域特産品「北限のしらす」の認知拡大と地元水産業の発展に貢献することを目指している。
株式会社I.Pクラフトの補助金活用事例(経営革新 × M&A型)
株式会社I.Pクラフト(三重県、建築内装および設備工事業、従業員5名)は、28年来の取引先で後継者不足により廃業予定だった建築金物販売施工会社を事業承継。
事業承継・引継ぎ補助金『経営革新枠』を活用し、レーザー加工機を導入して木製製品の加工サービスを開始し、顧客のニーズに応じた付加価値の高い商品を提供。
今後は加工商品の多様化とデジタルツールを活用した認知度向上、建築会社や設計事務所へのPRで新規顧客の獲得を目指している。
本項目の出典
事業承継・引継ぎ補助金『専門家活用枠』の補助額・申請方法・スケジュール
続いて、事業承継・引継ぎ補助金『専門家活用枠』の補助事業計画の条件や補助対象事業、補助対象経費、補助率・補助上限額、公募スケジュールと申請方法、成功事例についてご紹介していきます。
『専門家活用枠』の補助適用条件
『専門家活用枠』は、事業再編・事業統合を伴う中小企業者や個人事業主が、専門家の支援を受けながら経営資源の引継ぎを行うことを目的としています。
具体的には、類型ごとに以下の条件を満たす必要があります。
買い手支援類型(Ⅰ型)
対象者
株式や経営資源を譲り受ける予定の中小企業者または個人事業主。
要件
- 事業再編・事業統合(株式譲渡、事業譲渡など)において、経営資源の引継ぎを行うこと。
- 補助事業期間内に、M&A契約を締結し、引継ぎを実現すること。
- 専門家(M&Aアドバイザー、弁護士、税理士など)から適切な助言を受ける計画が求められる。
- 地域の需要維持や新たな市場創造など、具体的な事業計画があること。
具体例
- 小規模な製造業を買収し、新商品の開発を実施することで地域の需要を維持。
- 飲食チェーンを買収し、業態転換を図る。
売り手支援類型(Ⅱ型)
対象者
株式や経営資源を譲り渡す予定の中小企業者または個人事業主。
要件
- 補助事業期間内に、株式や事業資産の譲渡契約を締結し、適切に引継ぎを行うこと。
- 専門家(M&Aアドバイザー、弁護士、税理士など)の支援を受け、譲渡プロセスを効率的かつ公正に実施すること。
- 譲渡後の事業の継続性を確保し、地域経済に貢献する計画が必要。
具体例
- 家族経営の製造業を譲渡し、次世代のオーナーが設備投資や新規市場展開を進める。
- 不採算の店舗を売却し、経営資源を集約して主力事業に注力。
共通の条件
すべての類型で、以下の条件を満たす必要があります。
- 補助事業期間内に事業再編・事業統合が完了していること。
- 補助対象経費は、専門家(M&Aアドバイザー、弁護士、税理士など)への支払いに限定。
- 経営資源の引継ぎを通じて、地域経済や雇用への貢献を図る計画が求められる。
『専門家活用枠』の補助対象経費
『専門家活用枠』では、事業再編・事業統合(M&Aなど)に必要な専門家への支払いが補助対象となります。具体的な補助対象経費は以下のとおりです。
専門家への委託費用
対象者
M&A支援機関登録制度に登録された専門家(例:フィナンシャルアドバイザー、仲介業者)
補助対象となる項目
- 着手金
- マーケティング費用
- リテーナー費用
- 基本合意時報酬
- 成功報酬
- 価値算定費用
- デューデリジェンス費用(プレPMI費用を含む)
補助対象経費の要件
- 使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費
- 補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費
『専門家活用枠』の補助率・補助上限額
補助率
補助対象経費の2/3以内または1/2以内が補助されます。
補助上限額と下限額
- 補助上限額:600万円以内
- 補助下限額:50万円
補助率が分かれる条件
補助率2/3以内となる条件
- 以下で示す小規模事業者に該当する場合。
- 製造業・建設業・運輸業:常時使用する従業員が20人以下。
- 卸売業・サービス業:常時使用する従業員が5人以下。
- 地域の雇用維持や新規雇用創出に特に資する計画を有している場合。
- 補助事業の実施において、認定経営革新等支援機関の支援を受けている場合。
補助率1/2以内となる条件
上記の条件に該当しない場合(中小企業全般が対象)。
『専門家活用枠』の公募スケジュールと申請方法
『専門家活用枠』の公募スケジュールと申請方法は以下のとおりです。
公募スケジュール(10次公募)
事業承継・引継ぎ補助金『専門家活用枠』の10次公募はすでに終了しています。ただし、2025年以降も補助金の11次公募や12次公募などが順次開始される可能性があるので、引き続き注視が必要です。
申請方法
電子申請
- 「jGrants(電子申請システム)」を通じて申請。
- 「gBizIDプライム」アカウントの取得が必須(取得には1~3週間程度の期間が必要)。
必要書類
- 契約書の写し(契約内容が明記されているもの)
- 支払証憑(領収書など)
- 見積書(複数の専門家から取得することが推奨)
- 補助事業計画書(事業再編や統合計画の詳細を含む)
申請手順
- 必要書類を揃え、「jGrants」システム上で申請を行います。
- 認定経営革新等支援機関の確認書類がある場合は併せて提出。
『専門家活用枠』の成功事例
建物サービス業A社(専門家活用 × 売り手支援型)
建物サービス業A社(愛知県、従業員7名、売上高1億円~3億円)は、排水管洗浄技術を活かし、従業員の雇用継続と取引先関係の維持を目的に事業承継を実施。
アドバイザリー契約を活用し、複数の候補企業との面談を経て、技術を最大限に活用できる相手に株式譲渡を決定。
事業承継・引継ぎ補助金『専門家活用枠』を委託費として活用し、現在は業務詳細の引継ぎを進めている。
運送業C社(専門家活用 × 買い手支援型)
運送業C社(静岡県、従業員13名、売上高5億円~10億円)は、事業拡大を目的に山梨県の拠点を持つ企業を株式譲渡で引き継ぎ。
静岡―山梨間の物流需要増加を見据え、荷主とのシナジー効果を活かしたサービス向上を目指すとともに、従業員の雇用継続と取引先との関係維持も達成。
事業承継・引継ぎ補助金『専門家活用枠』は委託費として活用し、円滑な経営資源引継ぎを実現した。
本項目の出典
事業承継・引継ぎ補助金『廃業・再チャレンジ枠』の補助額・申請方法・スケジュール
続いて、事業承継・引継ぎ補助金『廃業・再チャレンジ枠』の補助事業計画の条件や補助対象事業、補助対象経費、補助率・補助上限額、公募スケジュールと申請方法、成功事例についてご紹介していきます。
『廃業・再チャレンジ枠』の補助適用条件
廃業・再チャレンジ枠は、M&Aが成立せず、既存事業を廃業した上で新たな事業に挑戦する中小企業や個人事業主に対し、廃業に伴う経費や再挑戦に必要な経費を補助する枠組みです。
『廃業・再チャレンジ枠』の補助適用条件は以下のとおりです。
対象者
中小企業者または個人事業主で、以下のいずれかを満たす場合。
- 既存事業を廃業し、新たな事業に挑戦する計画を有する場合。
- 事業承継またはM&Aを契機に、事業の一部または全部を廃業する場合。
要件
- 補助事業期間内に廃業手続きを完了すること。
- 交付申請時点で、M&A支援機関等と包括契約を締結している場合が条件。
『廃業・再チャレンジ枠』の補助対象事業
『廃業・再チャレンジ枠』の補助対象となる事業(廃業・再チャレンジ)は以下のとおりです。
①事業承継またはM&Aによる事業譲受後の廃業
事業承継(事業再生を含む)で事業を引き継いだ中小企業者等が、新しい取り組みを実施するために、既存の事業または譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※「経営革新枠」との併用が可能です。
②M&Aで事業譲受時の廃業
M&Aによって事業を引き継いだ中小企業者等(他社の経営資源を活用して創業した者も含む)が、新しい事業展開を進めるために、既存の事業または譲り受けた事業の一部を廃業する場合。
※「専門家活用枠」との併用が可能です。
③M&Aで事業譲渡後の廃業
M&Aにより事業を譲渡した中小企業者等が、M&A後に残った事業を廃業する場合。
※「専門家活用枠」との併用が可能です。
④M&Aが不成立だった場合の廃業・再チャレンジ
M&Aが成立せず事業を譲り渡せなかった中小企業者等の株主や個人事業主が、地域で新たな需要を生み出し、雇用の創出を目指す新たな挑戦を行うために既存事業を廃業する場合。
『廃業・再チャレンジ枠』の補助対象経費
『廃業・再チャレンジ枠』の補助対象経費は、廃業を実施するために必要な以下の費用が該当します。
廃業支援費
- 廃業に伴う専門家活用費用(例:税務申告、精算業務等)
- 従業員の人件費(精算業務に関与する場合)
在庫廃棄費
商品在庫等を専門業者に依頼して処分した際の費用。
解体費
事業廃止に伴う建物や設備の解体費。
原状回復費
借用物件返却時に義務となる原状回復費。
リース解約費
リース契約の解約金や違約金。
移転・移設費用(併用申請のみ計上可)
効率化を目的とした設備等の移転費。
『廃業・再チャレンジ枠』の補助率・補助上限額
- 補助率:補助対象経費の 3分の2以内
- 補助上限額:150万円
- 補助下限額:50万円
※併用申請の場合、補助率は他の申請枠(経営革新枠、専門家活用枠)に準じます。
『廃業・再チャレンジ枠』の公募スケジュールと申請方法
『廃業・再チャレンジ枠』の公募スケジュールと申請方法は以下のとおりです。
公募スケジュール(9次公募)
事業承継・引継ぎ補助金『廃業・再チャレンジ枠』の9次公募はすでに終了しています。ただし、2025年以降も補助金の10次公募や11次公募などが順次開始される可能性があるので、引き続き注視が必要です。
申請方法
電子申請
- 「jGrants(電子申請システム)」を通じて申請。
- 「gBizIDプライム」の取得が必須(事前準備に1~3週間必要)。
必要書類
交付申請書類一式、契約書、領収書、廃業計画書など。
本項目の出典
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