
コラム
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近年、映像・アニメ・音楽・舞台など、日本のエンターテインメント産業は海外から大きな注目を浴びています。
一方で、「せっかく作ったコンテンツを世界に届けたいけれど、予算的な課題があり、なかなか海外へ打って出るのが難しい……」とお悩みの事業者さんも多いのではないでしょうか。
そんなときに頼りになるのが、「JLOX+」補助金です。
本記事をお読みいただくことで、
など、必要な情報を整理できるようになっています。今まで補助金の申請に二の足を踏んでいた方も、ぜひ最後までご覧いただき、「海外展開」の夢をぐっと近づけるきっかけにしてみてください。
JLOX+(ジェイ・ロックス・プラス)は、文化庁・経済産業省などが連携して行う、コンテンツ産業の海外展開を強力に後押しするための補助金制度です。
「我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金」という、少し長い正式名称を短縮した呼称がJLOX+にあたります。
JLOX+は、日本国内の映像制作や音楽、ゲームなどのコンテンツ系企業のほか、キャラクターや出版物、舞台公演など「海外で展開したい!」と考えるさまざまなエンタメ事業者が活用できる制度で、以下のようなメリットがあります。
私自身、海外展開に興味をもつ友人たちから「JLOX+の申請をしたら予算確保がスムーズに進んで、海外配給までこぎつけた」といったエピソードを聞き、本補助金のメリットを実感しました。
特に日本のアニメや映画、舞台などは海外ファンが多く、「いざ出展だ!」と思っても、まずは資金の壁にぶつかることが珍しくないからです。そうした際にJLOX+は頼もしい味方となるでしょう。
前述のとおり、JLOX+は「海外進出の費用リスクを軽減したい」と考えるエンターテインメント関連の皆さんに強くオススメしたい補助金です。
たとえば、海外でのイベント出展・ロケ・配信など「海外向けのプロモーション」を実施するときの費用が2分の1サポートされる(対象経費のみ)ので、自己負担が減り、チャレンジングなプランも立てやすくなります。
知人が以前、海外の映画祭に短編映像を出品しようと準備をしていたとき、現地での通訳費や字幕制作費、さらに渡航費などが必要となり「結局出品を断念」という苦い経験をしたそうです。
「あのときJLOX+補助金を活用していたら……」と、今でも悔しい思いが残ると語っていました。
実際にエンタメ産業のなかには、小規模ながら面白い作品を作っている企業がたくさんあります。
しかし「海外への道のりが遠く感じる」ために、その良作を世界へ届け切れずにいるのが現実です。そこをバックアップしてくれるのがJLOX+の強みです。
JLOX+でサポートされるのは、大まかに以下の6つの補助金です。それぞれ狙いが異なるため、自社の取り組みや計画に合わせて選択・申請を行うことが可能です。
それぞれ、「あ、自分たちの事業はあれに当てはまるかも!」といった可能性があるのではないでしょうか。
次章からは、これら6つの支援内容をひとつずつ、詳しく解説していきます。実際の申請スケジュールや対象者、上限額などをまとめましたので、ぜひ申請準備の参考にしてください。
引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援
海外進出を目指すとき、最初の大きな課題となるのがローカライズと宣伝ですよね。
英語や現地語への字幕・吹替はもちろん、作品特有の文化差を埋めたり、現地のSNSや媒体で宣伝を行うなど、必要となる工程はたくさんあります。
JLOX+補助金は、そうした海外ローカライズやプロモーション費用を2分の1サポートしてくれる制度です。
私自身は「翻訳一つとっても、すごく予算がかかる…!」と痛感したことがあります。作品の雰囲気を正しく伝える字幕・吹替制作は、決して安くありません。
そういった部分を補助してもらえるのは非常に心強いものです。
海外親会社をもつ場合でも、日本法人(または日本法人子会社)であれば申請は可能です。
審査基準では、マーケティング戦略や費用対効果などが重視されるので、申請前に「誰に・どのようにアプローチするのか?」を練っておくと良いでしょう。
この補助金では以下の①および②の要件を満たしたコンテンツを対象としています。
引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援
公募期間中の複数案件の応募は可能ですが、一社あたりの総額上限は4,000万円が目安になっています。ローカライズや宣伝はどうしてもお金がかかる部分ですから、2,000万円×補助率2分の1の支援は非常に大きいといえます。
引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援
「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
締め切りは毎回少しずつ日程が設定されているようなので、公式サイトをチェックしながら応募書類を準備しましょう。
補助金を申請したときによくあるのは、「書類の不備で弾かれる…!」という悲しみです。提出前のチェックは念入りに行いましょう!
引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
続いては、国内映像制作で活用できる補助金です。「海外に売っていきたいけど、まず作品自体をしっかり作らなければ…」という段階では、この補助金の出番。
プロダクション(撮影等)とポストプロダクション(編集等)の工程を支援してくれるのが特徴です。
私の知人が映画制作をしているのですが、
「海外向けにハリウッドレベルのクオリティを目指そうとすると、映像技術や人材を充実させる必要があるし、何より撮影にかかるお金がものすごくかかるんだよね」
と嘆いていました。そこを補助金で後押ししてもらえれば、映像制作をスケールアップさせる大きな武器になりそうです。
大規模映画やアニメの制作会社、プロダクションなどが該当するでしょう。共同制作や製作委員会方式でもOKですが、幹事法人をしっかり定めるなど、書類上の体制を明確にしておく必要があります。
引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
映像制作費としては、かなり大きな金額を補助してもらえます。やはりハイクオリティな映画・ドラマ・アニメになると、数億単位の製作費は珍しくありません。
そんな大規模プロジェクトでも利用できるよう、上限2億円に設定されているようです。
引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
映像作品を完成させるまでには長い期間が必要です。もし補助金を申請したい場合は、最低限の撮影計画やコンテ、脚本の完成度を高め、いつ応募するのか逆算しながらスケジュールを立てるのがおすすめです。
引用:応募概要|国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)
3つ目は、プリプロダクション(企画開発)段階をサポートしてくれる補助金です。
脚本や絵コンテ制作、原作費、海外への売り込みに備えたマーケティングなど「これから映像作品を作る!」という初期段階の費用負担を軽減します。
私の知り合いのプロデューサーが「企画の段階が一番大事だけれど、収益の見通しが立ちにくいから投資を集めにくい。だからこそ、こうした補助金はありがたいよね」と話していました。
まさにこの段階での助成があることで、面白い企画が没にならずに日の目を見るケースが増えるはずです。
脚本家やアニメーター、ディレクター、プロデューサーなどにかかる人件費や外注先への支払いも対象となる可能性があります。
ただし、個人事業主やコンソーシアムのみでの申請は不可の場合が多いので注意が必要です。
引用:応募概要|国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)
企画開発段階だけでも1,000万円の補助金が出るのは非常に大きいと言えます。
特に脚本家やコンセプトアーティストなどへの発注費用、企画書作成・海外プレゼン用映像の試作などが該当するため、小中規模のプロダクションには大きな後押しになります。
引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
プリプロダクション支援は「やる気はあるけれど資金がなく、まだ撮影までは行かない」という状態で助成を得られるため、若手クリエイター・プロデューサーにとっても有望な手段です。
次は、「海外制作会社が日本で撮影をしたい!」というケースを支援する補助金です。
最近は海外作品に日本ロケのシーンが登場する機会も増え、世界的な配信ドラマでも東京の街並みが描かれるなど話題になりますよね。そうしたロケを誘致することで、地域経済にもプラスになるのが特徴です。
撮影地のフィルムコミッションなども関わりながら、自治体が支援するケースも増えています。
国内ロケを誘致して地域を活性化する「フィルムツーリズム」を狙う意味でも、この補助金は大きな意義があると感じます。
海外制作会社が直接申請できるわけではなく、日本国内の受け皿法人が必要となります。外資との契約書類が必須になる場合が多いので準備しておきましょう。
海外制作スタッフが参加し、日本を撮影ロケーションに含んで製作される大型の海外映像作品
(実写映画、配信ドラマ等)
映画やドラマの大規模ロケとなると、数十億~100億円クラスの予算が動くこともあります。そのなかで最大10億円まで補助できるというのは、海外制作会社にとっても魅力的な要素と言えるでしょう。
「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
海外撮影は天候やロケ地の許可申請スケジュールなど、調整が複雑化しがちです。補助金の応募タイミングは早めに決定しておき、書類準備も入念に行いましょう。
引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援
現代は、デジタル技術が目覚ましい進化を遂げている現代です。
たとえばブロックチェーンやメタバース、AIを活用したVR/AR作品など、「最新技術を取り入れた新しいコンテンツを作りたい!」という事業者向けの補助金です。
私も最近、ブロックチェーン技術を使ったNFTアートの話題をよく目にしますが、やはり開発環境を整えたり、エンジニアを雇ったりするには大きなコストがかかります。
ここに補助が入るのは、スタートアップにとってかなりありがたいですね。
次世代技術を用いているかどうかがポイントです。「従来のコンテンツの延長」ではなく、AIやweb3.0などを実装し、新しいユーザー体験を創出するような企画が高く評価されるでしょう。
引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援
デジタルコンテンツとはいえ、大規模なシステム開発を伴う場合はかなり高額になるケースがあります。そのため上限1億円と設定されているのでしょう。
個人的には、「バーチャルライブ配信システムを開発し、海外ファンにもリアルタイムで参加してもらう」ような企画に補助金を活用すれば、グローバル展開もぐっと加速すると感じます。
引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援
「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
最新技術の場合、日々アップデートがかかりますので、応募前には最新の公募要項・ガイドラインを必ずチェックしましょう。
引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援
最後は、コンテンツ製作全体を効率化・生産性向上させるシステム開発を支援する補助金です。
例えばスケジュール管理、素材共有プラットフォーム、権利処理の効率化など、業界のDX推進に寄与するシステムを開発する事業者に向けられています。
「制作現場のDX」は実は長年の課題で、映像や出版などの現場ではアナログなやり取りが多かったり、二重入力の手間が発生したりします。
そこを革新的なシステム開発で改善できるよう、この補助金が設けられています。
【システムの開発を行う場合】
【システムの導入を行う場合】
システム開発はどうしても開発費が大きい上、実際に業界で使われるまでに時間がかかることが多いです。その道のりを補助金がサポートしてくれるのは非常にありがたいですね。
引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援
現場実証やレポート作成にかかるコスト、さらに人件費や外注費などさまざまな経費を2分の1補助してもらえます。
「開発・実証」だけでなく「導入促進」や研修費用なども対象となり得るので、各種要件をチェックしてみてください。
引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援
「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。
システム開発の企画書、具体的なスケジュールや予算計画をしっかり作りこむことが重要です。特に「業界にどのように導入して波及させるのか?」を明確に示す必要があります。
この記事では、ここまで「JLOX+」に含まれる6つの補助金について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
どの「JLOX+」補助金も、海外展開を目指すコンテンツ事業者にとって心強い存在になると思います。
これだけ幅広くサポートメニューがあるのは、まさにエンタメ産業の成長が日本にとって重要である証拠だと思います。
補助金を上手に活用できれば、今まで資金難で諦めていた海外展開や新技術への投資が可能になり、グローバル市場で勝負するチャンスがぐっと広がるはずです。
「よし、やってみよう!」と思ったら、まずは公式サイトから応募要件を確認し、必要書類をリストアップしてみてください。
応募締め切りは複数回ありますが、早めに取りかかるほどスケジュールにゆとりが生まれます。書類準備でギリギリになって焦らないためにも、何をどう準備するか先に決めておくのがおすすめです。
この記事が、あなたの海外展開や新規プロジェクトの成功につながれば幸いです。
出典:JLOX+ 令和5年度 我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金 (コンテンツ産業の海外展開等支援) | 文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金
出典:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援
出典:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)
出典:応募概要|国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)
出典:応募概要|海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援
出典:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援
出典:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援
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