コラム

【エンタメ業界必見】海外展開に活用できる6つのJLOX+補助金を徹底解説

近年、映像・アニメ・音楽・舞台など、日本のエンターテインメント産業は海外から大きな注目を浴びています。

一方で、「せっかく作ったコンテンツを世界に届けたいけれど、予算的な課題があり、なかなか海外へ打って出るのが難しい……」とお悩みの事業者さんも多いのではないでしょうか。

そんなときに頼りになるのが、「JLOX+」補助金です。

本記事をお読みいただくことで、

  • JLOX+の概要
  • JLOX+補助金の種類・支給対象・上限額
  • 申請するときの注意点や期間
  • 実際にどんな方がメリットを得られるのか

など、必要な情報を整理できるようになっています。今まで補助金の申請に二の足を踏んでいた方も、ぜひ最後までご覧いただき、「海外展開」の夢をぐっと近づけるきっかけにしてみてください。

目次

JLOX+(我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金)とは?

JLOX+(ジェイ・ロックス・プラス)は、文化庁・経済産業省などが連携して行う、コンテンツ産業の海外展開を強力に後押しするための補助金制度です。

「我が国の文化芸術コンテンツ・スポーツ産業の海外展開促進事業費補助金」という、少し長い正式名称を短縮した呼称がJLOX+にあたります。

JLOX+は、日本国内の映像制作や音楽、ゲームなどのコンテンツ系企業のほか、キャラクターや出版物、舞台公演など「海外で展開したい!」と考えるさまざまなエンタメ事業者が活用できる制度で、以下のようなメリットがあります。

  • 海外向けプロモーション費用 が2分の1サポートされる
  • 国内映像制作時の人件費や撮影費等の一部 を負担軽減
  • プリプロダクション(企画開発)段階 でも応募可能
  • 新技術を活用したデジタルコンテンツ創出 にも活用できる
  • 海外ロケ誘致 や国内ポストプロダクション支援により、国際作品の国内誘致を促進

私自身、海外展開に興味をもつ友人たちから「JLOX+の申請をしたら予算確保がスムーズに進んで、海外配給までこぎつけた」といったエピソードを聞き、本補助金のメリットを実感しました。

特に日本のアニメや映画、舞台などは海外ファンが多く、「いざ出展だ!」と思っても、まずは資金の壁にぶつかることが珍しくないからです。そうした際にJLOX+は頼もしい味方となるでしょう。

JLOX+は海外展開を考えているエンタメ事業者に特にオススメ!

前述のとおり、JLOX+は「海外進出の費用リスクを軽減したい」と考えるエンターテインメント関連の皆さんに強くオススメしたい補助金です。

たとえば、海外でのイベント出展・ロケ・配信など「海外向けのプロモーション」を実施するときの費用が2分の1サポートされる(対象経費のみ)ので、自己負担が減り、チャレンジングなプランも立てやすくなります。

知人が以前、海外の映画祭に短編映像を出品しようと準備をしていたとき、現地での通訳費や字幕制作費、さらに渡航費などが必要となり「結局出品を断念」という苦い経験をしたそうです。

「あのときJLOX+補助金を活用していたら……」と、今でも悔しい思いが残ると語っていました。

実際にエンタメ産業のなかには、小規模ながら面白い作品を作っている企業がたくさんあります。

しかし「海外への道のりが遠く感じる」ために、その良作を世界へ届け切れずにいるのが現実です。そこをバックアップしてくれるのがJLOX+の強みです。

JLOX+に含まれる6つの補助金

JLOX+でサポートされるのは、大まかに以下の6つの補助金です。それぞれ狙いが異なるため、自社の取り組みや計画に合わせて選択・申請を行うことが可能です。

  1. 海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援 補助金
  2. 国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援) 補助金
  3. 国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援) 補助金
  4. 海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援 補助金
  5. 次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援 補助金
  6. コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援 補助金

それぞれ、「あ、自分たちの事業はあれに当てはまるかも!」といった可能性があるのではないでしょうか。

次章からは、これら6つの支援内容をひとつずつ、詳しく解説していきます。実際の申請スケジュールや対象者、上限額などをまとめましたので、ぜひ申請準備の参考にしてください。

①「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」補助金

海外向けのローカライゼーションプロモーション支援

引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援

海外進出を目指すとき、最初の大きな課題となるのがローカライズと宣伝ですよね。

英語や現地語への字幕・吹替はもちろん、作品特有の文化差を埋めたり、現地のSNSや媒体で宣伝を行うなど、必要となる工程はたくさんあります。

JLOX+補助金は、そうした海外ローカライズやプロモーション費用を2分の1サポートしてくれる制度です。

「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」補助金の概要・目的

  • 概要
    日本の文化芸術コンテンツを海外へ向けて発信するときの費用(字幕・吹替・翻訳・プロモーション費用など)をサポート。
  • 目的
    「日本ブーム創出」を通じて関連産業の海外展開の拡大や訪日外国人の増加を後押しすること。

私自身は「翻訳一つとっても、すごく予算がかかる…!」と痛感したことがあります。作品の雰囲気を正しく伝える字幕・吹替制作は、決して安くありません。

そういった部分を補助してもらえるのは非常に心強いものです。

「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設立された法人
  • 地方自治法で定められた地方公共団体
  • 次の条件を満たした海外現地法人
    • 親会社たる国内法人が議決権株式の過半数を有する海外現地法人子会社
    • 親会社たる国内法人が連帯保証する海外現地法人子会社
    • ※原則上記の2要件を満たし、かつ審査委員会が適切と認めた企業グループ

海外親会社をもつ場合でも、日本法人(または日本法人子会社)であれば申請は可能です。

審査基準では、マーケティング戦略や費用対効果などが重視されるので、申請前に「誰に・どのようにアプローチするのか?」を練っておくと良いでしょう。

対象コンテンツ

この補助金では以下の①および②の要件を満たしたコンテンツを対象としています。

  1. 次のいずれかのコンテンツジャンルに該当すること
    • 映像:番組・映画・アニメ・メディアアート等
    • 音楽:配信楽曲・ライブコンサート等
    • 舞台:演劇・ミュージカル・ダンス 等
    • 配信ゲーム:家庭用ゲーム・モバイルゲーム等
    • 出版:電子コミック・電子書籍等
    • キャラクター:マスコット等
      ※日本国内で商標登録もしくは意匠登録されているもの
  2. コンテンツの製作過程と権利保持が次のいずれかに該当すること
    • 日本の法令に基づき設立された法人または日本国民(特別永住者を含む)によって製作され、かつ日本国民がその製作活動に主体的に関わっており、その法人または日本国民が原則として著作権の全部または一部を有しているコンテンツ。
    • 他国と、日本の法令に基づき設立された法人または日本国民(特別永住者を含む)との共同で製作され、かつ日本国民がその製作活動に主体的に関わっており、その法人または日本国民が原則として著作権の全部または一部を有しているコンテンツ。

引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援

「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」補助金の上限額・補助率

  • 上限額 2,000万円(1案件あたり)
  • 補助率: 対象経費の2分の1

公募期間中の複数案件の応募は可能ですが、一社あたりの総額上限は4,000万円が目安になっています。ローカライズや宣伝はどうしてもお金がかかる部分ですから、2,000万円×補助率2分の1の支援は非常に大きいといえます。

「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」補助金の応募期間

海外向けのローカライゼーションプロモーション支援_応募期間

引用:応募概要|海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援

「海外向けのローカライゼーション&プロモーション支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月4日~2025年1月17日まで(途中で予算がなくなった場合は終了)
  • 隔週金曜日締め切り、2週間以内に採否通知

締め切りは毎回少しずつ日程が設定されているようなので、公式サイトをチェックしながら応募書類を準備しましょう。

補助金を申請したときによくあるのは、「書類の不備で弾かれる…!」という悲しみです。提出前のチェックは念入りに行いましょう!

②「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」補助金

引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)

続いては、国内映像制作で活用できる補助金です。「海外に売っていきたいけど、まず作品自体をしっかり作らなければ…」という段階では、この補助金の出番。

プロダクション(撮影等)とポストプロダクション(編集等)の工程を支援してくれるのが特徴です。

「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」補助金の概要・目的

  • 概要
    大規模の映像作品(実写・アニメなど)の制作費用のうち、撮影や照明、美術、録音、VFX、ダビングなどにかかる費用を2分の1サポート
  • 目的
    海外マーケットでも勝負できる高品質な映像作品を生み出し、日本のコンテンツがグローバル市場で収益を得られるようにする。

私の知人が映画制作をしているのですが、

「海外向けにハリウッドレベルのクオリティを目指そうとすると、映像技術や人材を充実させる必要があるし、何より撮影にかかるお金がものすごくかかるんだよね」

と嘆いていました。そこを補助金で後押ししてもらえれば、映像制作をスケールアップさせる大きな武器になりそうです。

「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設立された法人
  • 事業を円滑に遂行するために必要な組織や人員、資金管理能力を有する法人
    ※コンソーシアム・製作委員会・実行委員会等からの応募はできません。
  • 本補助金の交付を受けようとする法人
応募事業者に該当する法人
  • 当該応募作品について、応募事業者が実際に制作活動を担っていること(あるいは担うことが予定されていること)
  • 応募事業者が製作委員会を通じて資金調達をする制作活動も支援の対象となりますが、以下の要件を満たす必要があります。
    1. 製作委員会において応募事業者が出資者として参画していること
    2. 応募事業者がPA費を除く制作費の50%以上を制作受託していること

大規模映画やアニメの制作会社、プロダクションなどが該当するでしょう。共同制作や製作委員会方式でもOKですが、幹事法人をしっかり定めるなど、書類上の体制を明確にしておく必要があります。

応募要件

  1. 大規模の映像作品制作であること(制作費3億円以上)
  2. 制作費について3億円以上の資金調達のコミットメントがとれていること
    (割合・金額等が決定していることが確認できる書類を提示いただく可能性があります)
  3. 海外展開を念頭においた体制が組まれている/組む(確度の高い)計画であること
  4. 海外市場からの収益が見込まれていること、および海外展開の際に必要な権利処理が
    行われていること(契約書類等の提示を求めることがあります)
  5. 多角的な(海外など)IP活用を念頭に置いた利用契約を締結していること、あるいは締結
    する予定があること
  6. 応募事業者が著作権の全部・一部を保有すること

支援対象・対象コンテンツ

  • 支援対象:海外展開を念頭に置いた、国内制作会社が行う映像作品制作支援
  • 対象コンテンツ:実写・アニメ
    ※劇場公開やプラットフォーム配信など、メディアは問いません。

引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)

「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」補助金の上限額・補助率

  • 上限額 2億円(1案件あたり)
  • 補助率: 対象経費の2分の1

映像制作費としては、かなり大きな金額を補助してもらえます。やはりハイクオリティな映画・ドラマ・アニメになると、数億単位の製作費は珍しくありません。

そんな大規模プロジェクトでも利用できるよう、上限2億円に設定されているようです。

「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」補助金の応募期間

国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)_応募期間

引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)

「国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月25日~2024年8月30日(途中で予算がなくなった場合は終了)
  • 数回の募集期間に分かれている(第1回:2024年4月26日まで、など)

映像作品を完成させるまでには長い期間が必要です。もし補助金を申請したい場合は、最低限の撮影計画やコンテ、脚本の完成度を高め、いつ応募するのか逆算しながらスケジュールを立てるのがおすすめです。

③「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」補助金

国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)

引用:応募概要|国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)

3つ目は、プリプロダクション(企画開発)段階をサポートしてくれる補助金です。

脚本や絵コンテ制作、原作費、海外への売り込みに備えたマーケティングなど「これから映像作品を作る!」という初期段階の費用負担を軽減します。

「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」補助金の概要・目的

  • 概要
    映像作品を制作する前段階である「企画・脚本・プリビズ(絵コンテやレイアウト等)の開発」にかかる人件費や外注費などを2分の1サポート。
  • 目的
    オリジナル企画や新規IP開発を奨励し、海外でも訴求力をもつ映像作品へと仕上げるための資金援助。

私の知り合いのプロデューサーが「企画の段階が一番大事だけれど、収益の見通しが立ちにくいから投資を集めにくい。だからこそ、こうした補助金はありがたいよね」と話していました。

まさにこの段階での助成があることで、面白い企画が没にならずに日の目を見るケースが増えるはずです。

「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設立された法人
  • 事業を円滑に遂行するために必要な組織や人員、資金管理能力を有する法人
    ※コンソーシアム・製作委員会・実行委員会等からの応募はできません。
  • 本補助金の交付を受けようとする法人

応募要件

  1. 海外展開を念頭においた体制が組まれている/組む(確度の高い)計画であること
  2. 応募事業者が将来発生するコンテンツ(原作に基づいたコンテンツ及びオリジナルのコンテンツを含む)の製作/制作に携わることが計画されていること
  3. 以下のいずれかを満たしていること
    1. 応募事業者が将来本制作されるコンテンツの著作権の全部または一部を保有することが予定されているか、もしくは応募事業者が本制作されるコンテンツでレベニューシェアを受けること
    2. 応募事業者が本制作されるコンテンツのIP活用を念頭に置いた権利処理(映像化権、ゲーム化権等)や利用契約を予定していること

脚本家やアニメーター、ディレクター、プロデューサーなどにかかる人件費や外注先への支払いも対象となる可能性があります。

ただし、個人事業主やコンソーシアムのみでの申請は不可の場合が多いので注意が必要です。

対象コンテンツ

  • 映像:番組・映画・アニメ
  • ゲーム:家庭用ゲーム・モバイルゲーム・PCゲーム等
  • その他:審査委員会で特別に認めたもの

引用:応募概要|国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)

「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」補助金の上限額・補助率

  • 上限額1,000万円(1案件あたり)
  • 補助率: 対象経費の2分の1

企画開発段階だけでも1,000万円の補助金が出るのは非常に大きいと言えます。

特に脚本家やコンセプトアーティストなどへの発注費用、企画書作成・海外プレゼン用映像の試作などが該当するため、小中規模のプロダクションには大きな後押しになります。

「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」補助金の応募期間

国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)_応募期間

引用:応募概要|国内映像制作を行う事業(プロダクション・ポストプロダクション支援)

「国内映像企画開発を行う事業(プリプロダクション支援)」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月25日~2024年8月23日
  • 数回の募集期間に分かれている(第1回:2024年4月26日まで、など)

プリプロダクション支援は「やる気はあるけれど資金がなく、まだ撮影までは行かない」という状態で助成を得られるため、若手クリエイター・プロデューサーにとっても有望な手段です。

④「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」補助金

引用:応募概要|海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援

次は、「海外制作会社が日本で撮影をしたい!」というケースを支援する補助金です。

最近は海外作品に日本ロケのシーンが登場する機会も増え、世界的な配信ドラマでも東京の街並みが描かれるなど話題になりますよね。そうしたロケを誘致することで、地域経済にもプラスになるのが特徴です。

「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」補助金の概要・目的

  • 概要
    海外制作会社が日本国内で撮影(ロケ)を行う費用をサポート。宿泊費や現地移動費、スタッフ人件費、機材費などが対象となる場合が多い。
  • 目的
    海外映像制作者の日本ロケ誘致を推進し、日本の魅力を海外に発信することで、地域振興やインバウンド需要拡大につなげる。

撮影地のフィルムコミッションなども関わりながら、自治体が支援するケースも増えています。

国内ロケを誘致して地域を活性化する「フィルムツーリズム」を狙う意味でも、この補助金は大きな意義があると感じます。

「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設置された法人(企業、団体等)
  • 海外制作会社等と共同で映像作品を制作する者、または海外制作会社等から委託契約の受託等を受けている者

海外制作会社が直接申請できるわけではなく、日本国内の受け皿法人が必要となります。外資との契約書類が必須になる場合が多いので準備しておきましょう。

応募要件

  1. 以下の(ア)、(イ)又は(ウ)に該当する映像作品
    • (ア) 日本国内における直接製作費5億円以上の作品
    • (イ) 総製作費10億円以上かつ日本国内における直接製作費2 億円以上の作品
    • (ウ) 公開、配信、放映または放送等を行う予定としている国が10 カ国以上であり、かつ日本国内における直接製作費2億円以上の作品
  2. 国内映像産業への裨益があること(現地雇用による人材育成、国内スタジオの活用、国内でのポストプロダクションにおけるVFX等の高度な編集作業の実施(国内スタッフの雇用及び育成)等)
  3. 日本のシーンが確約されていること
  4. 製作者が作品のプロモーションを通じ、ロケ地となった地域のプロモーションに協力可能であること
  5. 映像作品における日本のシーンを通じた魅力について、グローバル展開に向けた工夫を有すること

対象コンテンツ

海外制作スタッフが参加し、日本を撮影ロケーションに含んで製作される大型の海外映像作品
(実写映画、配信ドラマ等)

引用:応募概要|海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援

「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」補助金の上限額・補助率

  • 上限額10億円(1案件あたり)
  • 補助率: 対象経費の2分の1

映画やドラマの大規模ロケとなると、数十億~100億円クラスの予算が動くこともあります。そのなかで最大10億円まで補助できるというのは、海外制作会社にとっても魅力的な要素と言えるでしょう。

「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」補助金の応募期間

海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援_応募期間

引用:応募概要|海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援

「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月4日~2024年9月13日
  • 数回の募集期間に分かれている(第1回:2024年3月15日まで、など)

海外撮影は天候やロケ地の許可申請スケジュールなど、調整が複雑化しがちです。補助金の応募タイミングは早めに決定しておき、書類準備も入念に行いましょう。

⑤「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」補助金

引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援

現代は、デジタル技術が目覚ましい進化を遂げている現代です。

たとえばブロックチェーンやメタバース、AIを活用したVR/AR作品など、「最新技術を取り入れた新しいコンテンツを作りたい!」という事業者向けの補助金です。

「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」補助金の概要・目的

  • 概要
    次世代デジタル技術(web3.0、メタバース、AI、VFXなど)を活用したデジタルコンテンツの制作費用をサポート。システム開発費や人件費などが対象。
  • 目的
    日本発のデジタルコンテンツが世界市場でも存在感を示し、新しい顧客体験や収益モデルを生み出すことを促進する。

私も最近、ブロックチェーン技術を使ったNFTアートの話題をよく目にしますが、やはり開発環境を整えたり、エンジニアを雇ったりするには大きなコストがかかります。

ここに補助が入るのは、スタートアップにとってかなりありがたいですね。

「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設立された法人
  • 事業を円滑に遂行するために必要な組織や人員、資金管理能力を有する法人
    ※コンソーシアム・製作委員会・実行委員会等からの応募はできません。
  • 本補助金の交付を受けようとする法人

応募要件

  1. 日本発IPやコンテンツの活用もしくはIPホルダ/クリエイターとの連携
    ※本補助金におけるIPとは、日本発コンテンツから派生したIP(知的財産)を指します。なお、コンテンツについては、 「コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律(平成16年法律第81号)第2条第1項」に規定するものを指します。
  2. コンテンツのデジタル化、ビジネスモデルの高度化、マネタイズの多様化等に資するシステム開発
    を実施する事業
    ※デジタル技術に、「ビジネスモデルの高度化」・「マネタイズの多様化」・「コンテンツにおける顧客への新たな体験価値の提供」のうち、どれか1つ以上を組み合わせた事業であること。

次世代技術を用いているかどうかがポイントです。「従来のコンテンツの延長」ではなく、AIやweb3.0などを実装し、新しいユーザー体験を創出するような企画が高く評価されるでしょう。

引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援

「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」補助金の上限額・補助率

  • 上限額1億円(1案件あたり)
    ※1社あたり1案件まで
  • 補助率: 対象経費の2分の1

デジタルコンテンツとはいえ、大規模なシステム開発を伴う場合はかなり高額になるケースがあります。そのため上限1億円と設定されているのでしょう。

個人的には、「バーチャルライブ配信システムを開発し、海外ファンにもリアルタイムで参加してもらう」ような企画に補助金を活用すれば、グローバル展開もぐっと加速すると感じます。

「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」補助金の応募期間

次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援_応募期間

引用:応募概要|次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援

「次世代デジタル技術等を活用したデジタルコンテンツ創出支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月25日~2024年6月15日
  • 数回の募集期間に分かれている(第1回:2024年4月15日まで、など)

最新技術の場合、日々アップデートがかかりますので、応募前には最新の公募要項・ガイドラインを必ずチェックしましょう。

⑥「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」補助金

コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援

引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援

最後は、コンテンツ製作全体を効率化・生産性向上させるシステム開発を支援する補助金です。

例えばスケジュール管理、素材共有プラットフォーム、権利処理の効率化など、業界のDX推進に寄与するシステムを開発する事業者に向けられています。

「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」補助金の概要・目的

  • 概要
    コンテンツ製作・流通工程の効率化に資するシステム(web3.0や生成AIなど先端技術を含む)を開発・実証するための費用をサポート。
  • 目的
    コンテンツ業界全体のDXを進め、生産性を飛躍的に高めるシステムやプラットフォームを増やすことで、クリエイターや事業者の環境改善・収益拡大を図る。

「制作現場のDX」は実は長年の課題で、映像や出版などの現場ではアナログなやり取りが多かったり、二重入力の手間が発生したりします。

そこを革新的なシステム開発で改善できるよう、この補助金が設けられています。

「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」補助金の対象者

  • 日本の法令に基づき設立された法人
  • 事業を円滑に遂行するために必要な組織や人員、資金管理能力を有する法人
    ※コンソーシアム・製作委員会・実行委員会等からの応募はできません。
  • 本補助金の交付を受けようとする法人

応募要件

  • ①コンテンツ製作・流通工程の効率化に資するシステムの開発・実証または導入であること
    ※すでに開発されたシステムを、コンテンツ業界へ導入する事業も対象となります。
  • ②業界への波及効果が大きいなど、広範な製作や流通の現場に導入できるシステムであること
    ※個社単体での利用が主となるシステムは対象外となります。

【システムの開発を行う場合】

  • ③実証を行い、定量的、定性的なデータを報告できること
  • ④得られた成果について、広く発信を行うこと(実証を兼ねたものでも可)

【システムの導入を行う場合】

  • ⑤導入先の事業者名・結果(新たな技術・導入等による各工程の効率化や強化を客観的に示すことができるもの)などのデータを報告できること

システム開発はどうしても開発費が大きい上、実際に業界で使われるまでに時間がかかることが多いです。その道のりを補助金がサポートしてくれるのは非常にありがたいですね。

引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援

「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」補助金の上限額・補助率

  • 上限額5,000万円(1案件あたり)
    ※既存システムを導入する場合は500万円が上限
  • 補助率: 対象経費の2分の1

現場実証やレポート作成にかかるコスト、さらに人件費や外注費などさまざまな経費を2分の1補助してもらえます。

「開発・実証」だけでなく「導入促進」や研修費用なども対象となり得るので、各種要件をチェックしてみてください。

「コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」補助金の応募期間

コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援_応募期間

引用:応募概要|コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援

コンテンツ製作の生産性向上に資するシステムの開発・実証支援」の応募期間は全て終了いたしました。ただし、2025年も同様の補助金が実施される可能性はあるので、引き続き注視していきましょう。

  • 2024年3月15日~2024年6月1日
  • 数回の募集期間に分かれている(第1回:2024年4月1日まで、など)

システム開発の企画書、具体的なスケジュールや予算計画をしっかり作りこむことが重要です。特に「業界にどのように導入して波及させるのか?」を明確に示す必要があります。

JLOX+補助金のまとめ

この記事では、ここまで「JLOX+」に含まれる6つの補助金について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

どの「JLOX+」補助金も、海外展開を目指すコンテンツ事業者にとって心強い存在になると思います。

  • 「海外向けローカライズ&プロモ支援」 で海外配信や字幕・吹替をサポート
  • 「国内映像制作支援」 でプロダクション/ポスプロを強化
  • 「国内映像企画開発支援」 でプリプロダクションを補助
  • 「海外制作会社による国内ロケ誘致支援」 で地域振興と海外の映像産業をつなぐ
  • 「次世代デジタル技術活用支援」 で新しい世界観を構築
  • 「コンテンツ製作の生産性向上システム支援」 で業界のDX化を進める

これだけ幅広くサポートメニューがあるのは、まさにエンタメ産業の成長が日本にとって重要である証拠だと思います。

補助金を上手に活用できれば、今まで資金難で諦めていた海外展開や新技術への投資が可能になり、グローバル市場で勝負するチャンスがぐっと広がるはずです。

「よし、やってみよう!」と思ったら、まずは公式サイトから応募要件を確認し、必要書類をリストアップしてみてください。

応募締め切りは複数回ありますが、早めに取りかかるほどスケジュールにゆとりが生まれます。書類準備でギリギリになって焦らないためにも、何をどう準備するか先に決めておくのがおすすめです。

この記事が、あなたの海外展開や新規プロジェクトの成功につながれば幸いです。

財務支援に強いTaigen

補助金申請から資金調達まで、Taigenが貴社の財務強化を支援します。

補助金のプロが、貴社の成長に必要な資金をしっかりサポート。

補助金の活用で一歩先へ、今すぐTaigenにご相談を!